西側との対等な対話を求めるロシア

AP通信

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、国連総会に際しての記者会見で、対米関係、ウクライナ危機、イランの核計画、中東紛争の解決といった基本的な問題に関するロシアの姿勢を明らかにした。その要旨をご紹介しよう。

ロシアと西側:新たな「冷戦」 

 ラブロフ外相は、ロシアは対等な原則に基づいた米国およびEUとの揺るぎない関係を望んでいると述べ、どうしたら露米関係を改善できるかとの問いに対して、ロシアが関係を悪化させたわけではない点を強調し、こう語った。

 「私たちは、交流のチャンネルを保持すべく、あらゆることをこれまでに行い、今もそうしている。私たちは、多くのことがロシアとアメリカの関係の在り方に左右されることを認識している」

 その一方で外相は、ロシアは、自ら米国との関係改善を呼びかけるつもりはなく、アメリカが主張したロシアからの「ウクライナ」制裁の解除の条件を不誠実なアプローチの発露とみなしている、と述べた。

 同外相はこう語った。「ロシアは、対等および相互の利益の考慮という原則に基づいてそうする用意のあるすべての者と活動する用意があるので、私たちのパートナーが成熟した暁には、どうぞ…」

 EUに関して、ラブロフ氏は、ロシアはEUとも戦略的パートナーシップを軌道に乗せる用意があり作為的な障碍の除去を主張しているとし、こう述べた。「私たちは、EUが我々のパートナーでありつづけることを望んでおり、然るべき文書に記されたようにロシアとEUの間の戦略的パートナーシップを評価している。私たちには、有望な共同プロジェクトが多数ある。私は、こうしたパートナーシップの互恵的深化の道を阻む外部からもたらされたあらゆる作為的な障碍の除去は、EUおよびロシアの核心的利益に適う、と確信する」

 

ロシアとウクライナ:対話は進んでいるものの、ブロック外のステータスの放棄に関する声明がネックに 

 ウクライナとの関係について、同外相は、両国間のコンタクトに不足はなく、ウクライナの首脳との会談が行われ、政府レヴェルの対話が不断に行われているとし、こう述べた。

 ロシアは、2010年に確定されたウクライナのブロック外のステータスの維持が、欧州の安全保障の極めて重要な要素である、と確信している。ところが、今夏、ウクライナの内閣は、ブロック外のステータスの放棄およびNATO加盟への方針に関する法案を発議した。

 ラブロフ氏は、NATOの拡大が「まったく無意味な行為」である点を強調し、「それは、全欧州の制度の役割を崩壊させる挑発的な行為である」と述べた。

 

ドネツィク(ドネツク)郊外の遺体:調査を求めるロシア 

 ラブロフ氏は、また、ウクライナの都市ドネツィクの郊外で多数の遺体が発見されたことについて国連の潘基文事務総長ならびにOSCEのランベルト・ザニエル事務総長およびディディエ・ビュルカルテ議長と協議したことを、明らかにし、こう述べた。

 「それらが民間人の遺体であり、彼らが事実上至近距離から射殺され、それまでに暴行を加えられていた可能性もあることが、とりあえず確認されており、私たちは、このことに深い憂慮の念を抱いている」

 同外相は、さらにこう付言した。「私たちは、調査の結果がないうちは誰をも非難できないが、そうした調査が実施されるよう、それが公開の独立した調査となるよう、強く求めていく」

 

イランの核計画:交渉は破綻していない 

 イランと六ヶ国の閣僚による会議が開かれないことが明らかとなった後、記者会見では当然ながらイランのテーマが取り上げられた。多くの専門家やジャーナリストは、交渉は破綻したのではないかと見ているが、ラブロフ氏は、まだ時間はありチャンスは失われていない、と悲観主義者たちをなだめ、こう述べた。

 「イランの核計画に関する交渉について、私は、慎重な楽観を抱いている。文書をめぐる作業の量を考慮すると、私たちはかなり歩み寄っているが、細かい詰めの作業が難航している。私は、交渉プロセスのすべての参加者は成果を望んでいるとの印象を覚える」

 

中東:「カルテット」あるいは別のフォーマット 

 中東「カルテット」(ロシア、米国、EU、国連)がすでに一年も協議していないパレスチナ・イスラエル紛争の解決について、ラブロフ氏は、ロシアはアラブ連盟の参加を伴う別のフォーマットでも活動する用意がある、と述べた。

 同外相は、ロシアは、今週に四者協議を行うよう提案したが、「カルテット」の他の参加者は、成果が期待できないとしてその提案を拒否した、とし、「私たちは、カルテットがこの会期中の今週に召集されることを望んでいたが、一部の参加者は、集まったところで何の文書も採択できなくてはすべてが失敗に終わったとみなされる、と語った」と述べた。

 

安保理の拒否権の廃止に反対するロシア 

 国連安保理における拒否権を廃止しようとのフランスの提案について、ラブロフ氏は、そうした可能性の協議は不毛である、とし、その理由をこう述べた。

 「国際的な人道上の権利の大規模な侵害や人間性に対する犯罪や戦争犯罪に関連した状況において拒否権を自発的に放棄することが問題になるわけだから」

 

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