ウクライナ情勢9/19報道

ウクライナのポロシェンコ大統領が、ワシントンのアーリントン国立墓地の無名戦士の墓に献花する。/ ロイター通信撮影

ウクライナのポロシェンコ大統領が、ワシントンのアーリントン国立墓地の無名戦士の墓に献花する。/ ロイター通信撮影

ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は17日夜(アメリカ東部時間)、アメリカの首都ワシントンに到着し、翌日上下両院合同会議で演説し、オバマ大統領と会談した。この訪問の結果、ウクライナ東部に関する新しい法律、ルハンシク州の新知事などについて報道されている。

 「コメルサント」紙は、ポロシェンコ大統領のアメリカ訪問について伝えている。

 訪問の主な目的が軍事支援を中心としたアメリカからの支援拡大であることを、キエフは隠さない。アメリカがすでに行っている、ウクライナ軍への6000万ドル(約60億円)の支援は、足りないのだという。ウクライナの外交官はアメリカ側との協議の中で、グルジアの例を何度もあげていた。グルジアは2008年ロシア・グルジア戦争の後、経済復興のためにアメリカから10億ドル強(約1000億円)ほどを受け取っている。

 アメリカは最近、ウクライナ軍強化の必要性をことあるごとに訴えている。アメリカのカール・レヴィン上院軍事委員長はこう述べていた。「ウクライナに弾薬、対戦車兵器、地対空ミサイルを提供しなければ、ロシアの攻撃を撃退するのは不可能」

 だがホワイトハウスは、対ロシア経済制裁の方が情勢解決に効果があると考えている。いずれにせよ、今回の協議の主な目的は、西側によるウクライナ支持を示すことである。

 

 「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は、ポロシェンコ大統領とアメリカのバラク・オバマ大統領の会談の結果を伝えている。

 ウクライナへの兵器供給と北大西洋条約機構(NATO)非加盟主要同盟国の地位提供について、合意はなされなかった。

 「ウクライナにはすでに特別な地位があるという理由で、オバマ大統領は『ノー』と言った。NATO非加盟主要同盟国の地位の要件よりも、安全保障および防衛の問題におけるアメリカとウクライナの協力レベルの方がはるかに高い」と、ポロシェンコ大統領はうまく説明した。

 すべての計画が実現したわけではないが、ポロシェンコ大統領は今回の訪問の結果に満足しているという。

 

 「独立新聞」は、与えたばかりのウクライナ東部の「特別な地位」を、ウクライナ政府が見直す可能性があると伝えている。

 ウクライナ最高会議は16日、義勇軍の管理下に置かれているドネツィク州とルハンシク州の特定地域に、「特別な地位」を3年間付与することを定めた法案を可決した。しかしながら、この法律をめぐる議論は続いている。

 ポロシェンコ大統領周辺の政治家は、この法律が必要であること、分離独立派に譲歩したわけではないことを強調している。イホル・フリニフ・ウクライナ大統領顧問は、「地方分権は地域全体ではなく、個別の地方政府機関で行われるもの」であり、「特別な地位」の付与は最大でも3年と法律で定められていることを説明した。

 この法律に不満を表明している議員は、「特別な地位」の対象地域をウクライナ最高会議ではなく、ポロシェンコ大統領の事実上の管理下にあるウクライナ保安庁(SBU)の関係者が決める点を指摘している。一部議員のグループは、この法律の無効化に関する独自の法案をすでに提出した。

 キエフの政治学者、ヴィタリー・バラ氏によると、現状は一時的な譲歩にすぎず、ポロシェンコ大統領がミンスクの停戦に合意したのは最高会議の選挙を失敗させないためであり、ドネツィクとルハンシクの問題は真の解決からほど遠いという。

 

 「ガゼータ・ル」は、ポロシェンコ大統領がルハンシク州の知事として、「ティモシェンコ連合」のヘンナディ・モスカリ議員を任命したと伝えている。

 モスカリ氏はすぐにでもルハンシク州に飛ぶと述べた。新知事が実際に管理できるのは、ルハンシク人民共和国の非管理下にある地域のみだ。住居も義勇軍が管理するルハンシク市ではなく、そこから100キロメートルほど離れたセヴェロドネツィク市になる。

 ロシア・ウクライナ情報センターのオレグ・ボンダレンコ所長によると、モスカリ氏は「戦争党」のタカ派で、任命はルハンシクがウクライナ政府の管理下にあることを示すものだという。