ウクライナ情勢9/18報道

ロイター通信

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ドンバスにおける停戦は守られておらず、米国はウクライナに戦略的同盟国のステータスを与えるのか?

 コメルサント紙は、こう伝えている。ウクライナ東部における停戦は、破綻の瀬戸際にある。「ドネツィク(ドネツク)人民共和国」の民兵側の情報筋は、ドネツィクに対する砲撃は続いており、その結果、この一昼夜で二人が死亡した、と伝えている。同人民共和国のアンドレイ・プルギン第一副首相によれば、ウクライナの軍人らは、ふたたび重火器を使用しはじめた。一方、ウクライナは、停戦違反の責任は民兵側にあるとし、ウクライナの政治家らは、「反テロ作戦」再開の理論的可能性に言及している。

 他方、ウクライナの政治学者ドミトリー・ジャンギロフ氏は、「すべての紛争当事者にとってそれを和平とみなすのが好都合な脆弱でぐらついた停戦」が樹立されるのに十分な戦闘疲れが蓄積された、とみなしており、停戦がより揺るぎないものとなるためには「敵対する双方を引き離す原則の実現」が必要であり、武装勢力は砲撃の続行が不能となる一定の地点まで引き離されるべきである、と考えている。

 

 ヴズグリャード紙は、こう伝えている。敵対する双方の引き離しを妨げているのは、ウクライナの軍および民兵によって支配されている地域の間の境界がどこにあるかの明確な認識が存在しないことである。火曜日に採択された「人民共和国」の支配下にあるドンバス(ドネツ炭田)の地域への特別なステータスの付与に関する法律の不備は明らかであり、まさにどのような地域が民兵側の法制下に入るかが明らかにされていない。明確な境界の画定を妨げているのは、「人民共和国」の軍隊によって四方を包囲されたウクライナの軍人らが封鎖されている居住地すなわち「包囲環」の存在である(それらがドネツィク人民共和国およびルハーンシク人民共和国の領内の「飛び地」となるのか、ウクライナ当局に忠実な軍人らがそこから撤収するのか、それらのステータスは不明である)。また、一部の地域において戦線が地域のインフラの一体性を損ねていることも、曖昧さに輪をかけている。

 ウクライナのジャーナリストであるユーリー・トカチョーフ氏は、民兵側に支配されている地域のせめて最小限の一体性の保障が必要であるとし、こう語る。「ドネツィクの町は蜂起勢力側に残り、ドネツィクの空港は政府軍側に残る、あるいは、ルハーンシクの町は蜂起勢力側に残り、ルハーンシクの火力発電所は政府軍側に残る、といったことがありえようか?」。

 

 一方、独立新聞は、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領の訪米をコメントしてこう伝えている。メディアでは、ウクライナの大統領はNATO外の米国の戦略的同盟国のステータス(そうしたステータスは米国がウクライナへ大量の武器を供与することを可能とする)のウクライナへの付与について米国の首脳と協議する予定であると報じられたが、多くの政治学者は、そうした見通しはリアリティーに欠けるとみなしている。欧州大西洋協力研究所の専門家ウラジーミル・ゴルバーチ氏は、こう述べた。「米国は、自ら必要とみなすならばそうした付与に関する文書がなくともウクライナへ武器や兵器を供与できるが、NATO同様、そうした決定を急いではいない」。同氏によれば、欧米は、西側は戦争に巻き込まれたとの声明の口実を与えないために慎重に行動しようとしているので、自らの活動を制限しており、ロシアには制裁を導入してウクライナには人道面および財政面の支援を行うものの武器は供与していない。一方、ウクライナの専門家らは、ドネツィクとルハーンシクの両人民共和国の特別のステータスに関する法律のヴェルホヴナ・ラーダ(ウクライナ最高会議)による採択は、歩み寄ることのできる平和を愛する政治家という好いイメージを創り出すためのポロシェンコ氏の訪米の準備の一環であった、とみなしている。

 

 ガゼータ・ルは、こう伝えている。ロシア国家会議(連邦議会下院)のセルゲイ・ナルィシキン議長は、水曜日、これまで共産党および地域党の会派に属していたヴェルホヴナ・ラーダ(ウクライナ最高会議)の議員グループ「平和と安定のために」の野党議員らと会談した。同議員グループの代表の一人エヴゲニー・バリツキー氏の声明によれば、国家会議とヴェルホヴナ・ラーダの議員間のコンタクトを軌道に乗せることが訪問の目的であったが、ウクライナのグローバル戦略研究所のヴァジム・カラショーフ所長は、こう述べる。「野党議員の訪問の唯一の意味は、ロシアの支援のもとで「何とか沈まずにいる」ことである。なぜなら、彼らの政治生命は尽きかけており、ヴェルホヴナ・ラーダにおける彼らの議席は議会選挙後に失われるのだから」。

 ロシアの政治学者アレクセイ・マカルキン氏は、ナルィシキン氏と議員らとの会談は「われわれはあなたがたを見捨てない」というウクライナのすべての親ロシア派へのシグナルであるとし、こう語った。「今は完全なアウトサイダーとみなされている政治家らも、将来は有力な政治的パートナーとなりうるので、かれらは、これ見よがしに受け容れられている」。