ウクライナ情勢9/12報道

モスクワで、ドネツィクの蜂起勢力のリーダーの一人で8月末に何らかの理由で突然辞任したドネツィク人民共和国の元国防相であるイーゴリ・ストレルコフ(ギルキン)氏のブリーフィングが行われた。=ロイター通信

モスクワで、ドネツィクの蜂起勢力のリーダーの一人で8月末に何らかの理由で突然辞任したドネツィク人民共和国の元国防相であるイーゴリ・ストレルコフ(ギルキン)氏のブリーフィングが行われた。=ロイター通信

 モスコフスキー・コムソモレツ紙は、こう伝えている。初秋より、ウクライナは、またもや欧州向けの中継輸送ガスを盗みはじめた。ポーランドの石油ガス会社PGNiGが声明したところでは、初秋にウクライナ側から供給されるロシア産ガスの量が激減した。9月8日は20%、9日は24%、10日は45%、それぞれ減少した。ポーランドのほか、ウクライナも、ロシア産ガスの供給減に反応しており、「ウクルトランスガス」のイーゴリ・プロコピフ会長は、こう述べた。「9月11日にポーランドは1100万立方メートルを要求していたのにロシアからは700万立方メートルしか供給されなかった。マイナス分の400万立方メートル、これは、まさにポーランドがウクライナへの転送を約束していたリヴァースである」。一説によれば、「ガスプロム」は、ロシア産ガスをウクライナへ転売させないよう供給を制限しはじめた。しかし、別の説もある。ポーランドは、輸出量の減少がポーランドとウクライナの国境で確認されていることを認めている。「ガスプロム」に近い筋によれば、このことから、ガスの一部はウクライナのガス貯蔵施設に収まった、つまり、ウクライナはふたたびEU諸国向けの燃料を横取りしはじめた、との結論が導かれる。

 

 エクスペルト誌は、ロシアのエネルギー政策を分析してこう伝えている。「ガスプロム」(ロシア当局と緊密に協力している)は、ウクライナが歩み寄らなければ、冬場に欧州の近隣諸国の支援が当てにできず、そうなると好いことは何もない、ということを、そのような手段でウクライナに分からせようとしている。国家エネルギー安全保障基金の会長であるコンスタンチン・シーモノフ氏は、「ウクライナへのロシア産ガスの供給が懸案であることにより、欧州南東部の国々のエネルギーの安全が脅かされる」とインタヴューで述べた。ロシアとウクライナがガス供給の面で合意できない場合には、冬場にウクライナが中継輸送の停止を余儀なくされる可能性がぐっと現実味を帯びてくる。「ウラルシブ・キャピタル」のアナリストであるアレクセイ・コーキン氏は、晩かれ早かれそうした政策は当の「ガスプロム」にとって痛手となる、とし、こう述べた。「長期的にはそうした政策はEUのガス輸送システムの最適化のための前提となり、「ガスプロム」はウクライナへのガス輸出を制限する可能性を奪われることになる」

 

 ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)は、通貨としてのフリヴニャの使用を止める「ドネツィク(ドネツク)人民共和国」指導部の意向についてこう伝えている。同人民共和国のボリス・リトヴィノフ国会議長は、「フリヴニャの使用は過去のものとなる」と述べたが、こうした声明は、承認されていない共和国の将来に対する人民共和国指導部とウクライナ当局のアプローチが正反対であることやフリヴニャの相場が下落し続けているという深刻な状況に起因している。リトヴィノフ氏は、共和国の指導部は、ルーブル圏への移行や独自通貨の創出を考えられる選択肢とみなしているが、どちらの選択肢も遠い先のことであり、専門家らは、同人民共和国内では当面はウクライナのフリヴニャもロシアのルーブルも流通する、と見ている。

 

 ガゼータ・ルは、こう伝えている。モスクワで、ドネツィクの蜂起勢力のリーダーの一人で8月末に何らかの理由で突然辞任したドネツィク人民共和国の元国防相であるイーゴリ・ストレルコフ(ギルキン)氏のブリーフィングが行われた。ストレルコフ氏は、ドネツィクおよび民兵の指揮へ復帰する可能性はないこと、シャフチョールスク上空でのマレーシアのボーイング機の撃墜はウクライナ側に責任があること、ロシアの正規軍の部隊はウクライナにはいないこと、ウクライナ当局が軍を再編して攻撃へ移行する可能性を与えることになるので一週間前にミンスクで合意が達せられた停戦は民兵側に極めて不利であること、などについて述べた。また、同氏は、ロシアの内政について触れるなかで、ウラジーミル・プーチン氏の政策を支持するとともに、ロシアでは内部から国家を滅ぼしつつある「第五列」が活動しており、それと闘う必要がある、と述べた。ストレルコフ氏の発言をコメントした政治学者のコンスタンチン・カラチョーフ氏は、承認されていない共和国のこの極めて有名な野戦司令官にはロシアで有力な政治家になることはできない、とし、「同氏やその同類は、プーチン氏を自分たちの長官と認めているうちは、巨大なマシーンの交換可能な部品であるにすぎない」と述べた。