タス通信撮影
「エクスペルト」誌は、プーチン大統領とポロシェンコ大統領の会談が実現する可能性について伝えている。
ウクライナ政権の気持ちが、情勢の外交的解決に傾いていることの証明である。ウクライナ南東部の軍事作戦は、キエフのシナリオ通りに進んでおらず、8月24日の独立記念日までにドネツィクとルハンシクを奪還できそうにない。
ウクライナ大統領府のヴァレリー・チャルイ副長官は、「(会談は)現実的な協議プロセスを始められる可能性」と述べた。
「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は、プーチン大統領とポロシェンコ大統領の会談の実現に懐疑的な専門家の言葉を伝えている。
政治情勢センターのセルゲイ・ミヘエフ所長は、西側がプーチン大統領に圧力をかけようとしていると考える。「欧米の試みとは、今まで通り、ロシアにウクライナを”扶養”させ、その代わりに対ロシア制裁の一部を解除するもの」。だがロシア側にとって、プーチン大統領とポロシェンコ大統領の会談の実現条件とは、あくまでもウクライナ南東部での停戦であるという。
「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」は、17日に行われたウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの4ヶ国の外相会談に関連して、ロシアとウクライナの今後の協議の可能性を異なる観点から書いている。
対立当事者の軍事的成功は政界代表者の協議における追加的な切り札になるため、軍事衝突と外交協議は平行して行われる。したがって停戦を協議の条件とすることは不可能。停戦はむしろ政治家の協議の結果に依存している。ウクライナとロシアが情勢を平和的に解決させようと努力すれば、協議は必要になってくる。ウクライナの経済は疲弊している。ロシアは義勇軍に同情しながらも、現実的な軍事介入は行わない。協議では、ロシアは人民共和国代表を平和プロセスの参加者として認めさせようとするだろう。
「ヴズグリャド」紙は、キエフの独立広場の有名な活動家2人が、指導者の立場から去ったことを伝えている。
ウクライナ国家安全保障会議(SNBO)のアンドリー・パルビー元議長はポロシェンコ大統領によってSNBOのメンバーから外され、有名なジャーナリストであるタチヤナ・チェルノヴォル氏はウクライナ反汚職局の局長を辞任した。
2人は独立広場の運動が起こってからウクライナ政権に加わったばかり。パルビー氏は独立広場の司令官、チェルノヴォル氏は独立広場を支持したジャーナリスト。ポロシェンコ大統領は、独立広場のカリスマ的な指導者から離れることを決めた。人気の高い2人はすでに自分の役目を終えており、新しいウクライナ政権にとって扱いにくくなったのだろう。
ウクライナの政治学者コンスタンチン・シュロフ氏はこう話した。「独立広場の指導者の中には、消えた人、殺された人、外国に出国した人がいる。そして政権に加わったばかりの人に矛先が向いた」
ニュースサイト「スヴォボドナヤ・プレサ」も、パルビー氏が会議のメンバーから外されたことを伝えている。
ウクライナ政治マーケティング・センターのヴァシリー・ストヤキン所長は、「パルビー氏はそれでも大統領チームに残る」と言っている。民族主義組織に近いパルビー氏は、何をどうすべきかを知っている経験豊富な戦闘員であるため、極めて困難な現状において、ポロシェンコ大統領の役に立つという。
ウクライナの内政はいまだに極めて混乱している。秋のウクライナ最高会議の選挙がどのようなシステムで行われるのかもわからない。ウクライナでは近々、ポロシェンコ大統領と、ウクライナのオリガルヒ(新興財閥)でドニプロペトロウシク州の知事を務めるイホル・コロモイスキー氏との間に、深刻な対立が起こる可能性があるという。コロモイスキー氏の影響力は、ウクライナ政権にとって脅威である。
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