「プーチン氏をコーナーへ追い詰めないこと」

ジョン・テフト氏=GettyImages/Fotobank撮影

ジョン・テフト氏=GettyImages/Fotobank撮影

米国議会上院・国際問題委員会は、ジョン・テフト氏を駐露アメリカ大使に任命することを全会一致で決議した。同氏によれば、アメリカ政府は、ウラジーミル・プーチン大統領に「現在の(政治的な ― 編集部)状況からの出口を見いだす」チャンスを与える必要がある。

 ジョン・テフト氏の駐露アメリカ大使への推挙は、同委員会によって満場一致で是認され、これにより、上院は、8月1日までに本会議において同氏のそのポストへの就任を完全に承認することができる。

 

相互理解が必要 

 次期大使によれば、アメリカ政府には「ロシア側のパートナーとの対話を続け、ロシアの公吏と市民にアメリカの政策、国益、価値を知ってもらう」必要があり、その際には「私たちにそれらが受け入れられない場合でも、ロシア側が何を考え、どのような目的を持ち、なぜそうした姿勢をとるのか」を理解することが求められる。

 次期駐露アメリカ大使は、両国には長く平坦ではない関係の歴史がある点を強調したうえで、こう述べた。「私たちは、同盟国であったことも敵国であったこともあり、協力したことも衝突したこともありましたが、ロシアとその国民および政府との交流は、コンスタントに行われてきました」

 同氏によれば、米国には、圧力を続けると同時にプーチン大統領に「状況からの出口を見いださせる」必要がある。

 テフト氏は、さらにこう述べた。「米国は、核兵器の不拡散やテロおよび麻薬ビジネスの取り締まりといった分野におけるロシアとの協力を望んでいます」

ロシアの専門家らの評価 

 戦略評価研究所のアレクサンドル・コノヴァロフ所長は、新大使は、ロシアの現実や大統領の性格を把握しているとし、こう語る。「プーチン氏は負けず嫌いなので、大使は、どんな対抗措置に打って出るかわからない大統領をコーナーへ追い詰めることがいかに危険であるかを弁えています」

 同氏は、露米双方に共通する利益や前進がみられる分野での協力発展に対する希望は残っているとし、こう述べた。

 「テフト氏の当面の課題は、ロシアへの圧力を続け、欧州における戦争の脅威を増大させないこと、そして、ロシアに同盟国がなく全世界がロシアに反感を抱いている現状からの出口をプーチン氏に見いださせることでしょう」

 ロシア国際問題評議会のアンドレイ・コルトゥノフ会長は、発展のベクトルはホワイトハウスと大統領が定めることなので対露関係における明確な路線変更を新大使に期待するわけにいかない、としたうえで、テフト氏が、ロシア指導部の疑念や懸念を招かぬよう、慎重にそつなく身を処する点を指摘し、こう述べた。

 「問題は、新大使の行動範囲がどれほど大きいか、彼はロシアの政治家や官僚や社会活動家と幅広く交流できるか、ということだと思います。テフト氏の交際範囲が限られてしまえば、きっと両国関係の発展に関する対話の可能性も限られてくるでしょう」