ウクライナ情勢7/25報道

ロイター通信

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7月25日のウクライナ情勢に関する報道は、ウクライナ最高会議の連立与党崩壊が中心だ。

 「コメルサント」紙は、ウクライナが政府崩壊の危機にあると書いている。 

 1日でウクライナ最高会議の連立与党が崩壊し、アルセニー・ヤツェニュク首相が辞任を表明した。 

 ウクライナ新政府の中心的な人物の1人と考えられ、欧米からほぼ無条件に支持されていたヤツェニュク首相の辞任は、厳しい政治危機を招く。ここ数週間確立されつつあったペトロ・ポロシェンコ大統領との連携に、亀裂が生じた。 

 ポロシェンコ大統領にとって辞任がヤツェニュク氏の事実上の野党への退去になると話す専門家もいれば、反対の意見を述べる専門家もいる。ポロシェンコ大統領にとっての一撃とは、連立与党から離脱した「ウダル」党が与えたもの。ヤツェニュク首相は大統領と同じ船に乗っていた。そのため、ヤツェニュク氏は選挙で、ポロシェンコ大統領が結成した「連帯」党を率いるかもしれないという。

 ウクライナ東部での軍事作戦の最中、経済危機および事実上の選挙運動開始の条件の下で、今回の事態は国を無政府状態におとしいれるかもしれない。起こっていることすべてが、ポロシェンコ大統領の5年間の任期全うへの疑問符となる。

 

 「ヴズグリャド」紙は、ウクライナ最高会議の連立与党崩壊が、早期の解散総選挙の道を開くと書いている。

 ポロシェンコ大統領には、交戦国で選挙を行う意味があるのだろうか。ウクライナ東部では今のところ紛争が続いており、キエフではオリガルヒが政権争いを続けている。

 ポロシェンコ大統領は当選前、最高会議の選挙をし直したいと話していた。それはわかりやすい。最高会議には自身の分派がなく、ティモシェンコとの長期的な連携に頼ることは不可能。ただこのような推論は平和な状態で行われるものであって、ウクライナは現在内戦中。戒厳令が発令されていないことは、その状態では選挙が実施できないことが理由であろう。ポロシェンコ大統領は、発令なしに南東部に勝利できると確信している。内戦状態、国家の崩壊の危機がありながらの選挙の実施は、無謀である。

 ポロシェンコ大統領には、キエフの他の政権争いに関わった人と同様、新しい立場を確保する必要がある。彼らはウクライナを中秋まで維持できるかということよりも、競争相手をどう圧倒するかを考える方を好んでいる。最高会議の選挙自体も、ウクライナ国家崩壊というドラマの無謀な行為の一つとなる、とヴズグリャド紙は指摘する。

 

 「エクスペルト」誌は、ポロシェンコ大統領が、予想通り、最高会議解散手続きを始めたと書いている。

 ヤツェニュク首相の辞任は、誰かにとって不快なサプライズになった。改革実施のために一定の犠牲が払われたが、ウクライナは事実上改革のない状態になる。「連立与党の崩壊は、不十分で無責任な決定にもとづく政府の政策の失敗を、正式に認めるものとなった」と、「強いウクライナ」党のセルゲイ・チギプコ党首は話す。

 最高会議は数ヶ月間機能不全にされてしまったと言える。最高会議の新たな構成は、ウクライナ社会のムードにより合うものとなりそうだ。

 

 ポロシェンコ大統領は可能であれば、今総選挙を行うだろうが、法律でそれができない。法の規定によると、議員が新たな多数派(与党)を集めるための持ち時間は1ヶ月。しかし成算はあまりない。このように選挙が長引くと、大統領に問題が生じる。ウクライナ政府は選挙運動の時期を決める前に、ドネツィク人民共和国、ルハンシク人民共和国との問題を解決しなければならない。それがウクライナ国民から不満が上がった、一部動員に関する新法の施行の理由なのかもしれない。

 ポロシェンコ大統領は何としてでも、8月末までにドネツィクとルハンシクを掌握しようとしている、との噂がある。しかしながら、一部には何としてでもの心構えはない。ヤツェニュク氏は列車事故寸前に、その事故の責任者にされないよう、列車から飛び降りることを決めた。