ウクライナ情勢6/17報道

AFP / East News撮影

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ロシアの今日の報道では、ガス問題が主題になっている。

結局はガス供給停止へ(コメルサント紙 

 「コメルサント」紙は、ロシアとウクライナに欧州連合(EU)を加えた、2ヶ月に及ぶガスをめぐる対立が、ガス供給停止に帰結したと伝えている。ロシアの国営ガス会社「ガスプロム」は、ウクライナの国営ガス会社「ナフトガス」がガス代金を慢性的に滞納していることから、前払い制度に移行することを決めた。

 ウクライナは6月分の前払いに応じていないため、ガス供給を停止し、ウクライナのガス輸送システムにヨーロッパ向けの通過ガスのみを送る。紛争の第一段階で、ガスプロムは債権のわずかな一部を回収できただけで、ウクライナの貯蔵庫にあるガス50億立法メートルを失ったという。

 未払いがたまっていることから、ロシアは段階的な返済というEUの譲歩案を受け入れず、ウクライナ政府の姿勢をゆすりと表現した。ウクライナは協議が始まった時点で決裂させようとし、ガス分野での対立関係悪化を望んでいたという。

 ドミトリー・メドベージェフ首相は、「ウクライナ指導部の一部は正常な判断力を失った」と述べた。ウクライナがガスを無料で受け取り、時間稼ぎをした一方で、ウクライナに資金提供を行ったEUは、何も得ることができなかった。

 政治的な思惑からウクライナをこれ以上支援する気のないEUの姿勢は、秋に向けて開催不可避な次の協議で、重要な要因になるだろう。

 

2009年ガス戦争の再現なるか(ヴェドモスチ紙 

 「ヴェドモスチ」紙は、ロシア、ウクライナ、EUがウクライナのガス債務の問題を解決して、「ガスプロム」と「ナフトガス」の前払いへの移行を回避しようとしていたと書いている。ウクライナへのガス供給停止は、ヨーロッパ向けの通過ガスも脅かしかねない。

 交渉を決裂させたのは、主にウクライナのアルセニー・ヤツェニュク首相。首相は15日、事実上ロシア政府によって定められる、輸出関税を差し引いただけの割引に、ウクライナは反対しており、ロシア政府はいつでもその決定を変え得ると話していた。EUの主な懸念は、ウクライナが貯蔵庫のEU向けのガスを自国用に使ってしまうことである。冬季に順調なガス輸送を行うためには、秋までにウクライナの貯蔵庫に180~190億立法メートルのガスがなければならない。通過に問題が生じた場合、ガスプロムはヤマル-ヨーロッパと「ノース・ストリーム」のパイプライン経由でガスを供給し、さらにヨーロッパの貯蔵庫にガスを送ることになる。

 2009年のくり返しは、ガスプロムとロシアがもっとも望んでいないことである。契約で前払いを定める前に、ガスプロム側から2ヶ月間の極めて柔軟な猶予が与えられた。ガスプロムに協議の用意があることは明らかである。だがウクライナ側は、最後通牒的な話し方を好んでいた。

 

サウスストリーム復活の読み(エクスペルト誌 

 「エクスペルト」誌は、ロシアがウクライナのガス債務の支払い最終期限を延長せず、前払い制に移行させたと伝えている。

 ロシアとウクライナの対話の仲介役であるEUは、再び集まって話し合うことを提案している。ロシアに異なる価格についての譲歩的な決定をさせるのが狙い。これによると、ウクライナは1億ドル(約100億円)を最短でロシアに返済し、残りの額を今年末までに6回にわけて返済する。

 ガスプロムは代わりに、季節に応じた2つの価格を設定しなければならない。だがロシアはこの提案を受け入れようとしていない。というのも、冬の価格が高く、夏の価格が安いため、ウクライナは夏季、冬用として貯蔵庫にガスを最大限にためるからだ。

 またウクライナも問題を政治経済から政治オンリーにすり替えながら、支払いを拒んでいる。ウクライナ政府は現在、ロシアからの供給停止を乗り越える策を模索しており、産業施設へのガス供給を技術的最小限に抑えることも検討している。

 だが先に警戒措置を講じるのはヨーロッパになりそうだ。ウクライナとの問題により、EUが「第3次エネルギー包括案」を中止し、「サウス・ストリーム」プロジェクトを活発化せざるを得なくなることを、モスクワは望んでいる。