セルゲイ・ピヴォヴァロフ撮影/ロシア通信
大量のウクライナ難民(コメルサント紙)
ロストフ州政府(ロシア南部の黒海沿岸の州)が、ウクライナから大量の難民が押し寄せているとして、非常事態宣言を行ったと、「コメルサント」紙は伝えている。
難民は爆撃や軍事攻撃から逃れてきた人々。ここ数日だけでも、ロシアに入国したウクライナ市民は、7000人以上を記録している。
ボランティアや社会的な支援グループは、軍事攻撃が行われているウクライナ南東部のスロヴャンシク、クラマトルシク、ルハンシク、ドネツィクから、住民を避難させている。90~100人の各集団は、主に女性と子どもからなる。難民が急増したのは、ウクライナ軍がいわゆる反テロ作戦を活発化させた先週末頃からで、今後も増え続ける見込み。ロシア捜査委員会は、「ウクライナ南東部での対人犯罪」事件を立件すると伝えている。捜査にあたるのは特殊捜査集団。
プーチン・ポロシェンコ会談はあるか?(エクスペルト誌)
「プーチンがポロシェンコと話すこととは?」という見出しの記事を、「エクスペルト」紙が掲載している。
ワルシャワで行われた、ペトロ・ポロシェンコ氏(次期ウクライナ大統領)とバラク・オバマ大統領の”お見合い”は、氏にとって十分うまくいったと言えるが、ロシアとの関係安定化には寄与しないだろう。オバマ大統領は会談で、「アメリカは今後もウクライナをロシアの圧力から守る。自由主義諸国は団結し、ロシアがその挑発によってさらに孤立して財政支出を増やすように仕向ける」と話した。
ポロシェンコ氏は国家の指導者の役割を果たしながら、大統領就任式で幅広い恩赦と地方分権化の計画を発表すると述べた。
現在、ロシアとウクライナの首脳会議が検討されている。ウラジーミル・プーチン大統領とポロシェンコ氏の会談場所は、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典が行われる、フランスのノルマンディーになる可能性がある。両氏ともに式典に出席予定。
ウクライナ新大統領にとって、プーチン大統領との会談が極めて重要であることは明白。実施するだけで、ルハンシク自治共和国とドネツィク自治共和国のロシア語系住民の前で、ポロシェンコ氏を合法化させる。ポロシェンコ氏が譲歩しない限り、自己のプライドと“神に選ばれたる人”という感覚を乗り越えない限り、そして失敗している反テロ作戦を完全にやめない限り、プーチン大統領にとって会談を行う意味はないという。
新憲法制定が新たな火種になりそう(独立新聞)
ウクライナでは新憲法制定に関連して、政治危機が差し迫っていると、「独立新聞」は書いている。
暫定政権発足後、2004年改正の憲法の効力が一時的に復活し、新たな憲法の秋までの制定が社会に約束されていた。しかしながらいまだに草案はなく、舞台裏の主な論争とスキャンダルが大統領と議会の全権配分に関する問題を呼び起こしているという。ウクライナの首都キエフでは、この問題がポロシェンコ氏をウクライナ最高会議の解散に向かわせる可能性も排除していないようだ。
2014年憲法の新たな部分は地方分権。中央の影響力を弱め、地方に全権を分散化するもの。ウクライナの議員は、最高指導者の全権を最大限に制限したい考えだという。すべての人員任命権は議会連合に移譲され、最高指導者はあらゆる動きについて、最高会議の合意を得なければならなくなる。そうなった場合、大統領はお飾りになる。
議員が大統領と合意できずに全権をめぐる論争が続いた場合、ウクライナは秋までに新憲法ではなく、表立った政治危機を迎え、その結果、最高会議の解散選挙が行われることになるかもしれない。
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