ペトロ・ポロシェンコ氏=ロシア通信撮影
— 連邦化について、あなたは、ウクライナは単一の国家であり連邦化はない、と常々おっしゃっていますが、なぜですか?周りを見渡せば、連邦国家はたくさんあるのに。ロシア、ドイツ、そして…。
ポーランド、ベラルーシ…、ですね? いいえ、ポーランドもベラルーシもモルドヴァも、そうではありません…。私たちの周りには、連邦国家はありません。ドイツだけです。
— ロシアは?!
ロシアは、世界の半分の領域を占めていますが、本質において連邦国家ではありません。連邦国家とは弱い中央権力ですが、ロシアの中央権力は弱いと言えますか?。
— 弱くありません!
連邦国家では大部分の全権が連邦構成主体へ移譲されますが、ロシアにそうしたものが存在すると言えますか?何の全権も移譲されていませんよね。わが国では、私が国の連邦化ではなく脱中央集権化を実施したのちに、地方は、ロシアの連邦構成主体よりもずっと大きな全権を有します。
— これは言葉の綾にすぎず、脱中央集権化と連邦化は同じではありませんか?
いいえ、ちがいます。なぜなら、脱中央集権化とは、全権を強い中央に残しながらも、中央に頼らずに人々の生活のほとんどの問題を解決する権利を地方や共同体へ移譲する、ということだからです。
— 私も同じことを言っているのですが。
ロシア語系住民を動揺させたり不安にさせたりしうる問題もあります。たとえば、何語で話すかという問題です。何のために第二公用語に関する問題を提起するのですか? 何のために、テルノーピリ、リヴィウ、ジトームィル、ヴィーンヌィツャ、ポルタヴァ、チェルニーヒウ、チェルカースィに住む人にロシア語を第二公用語にすることを義務づけようとするのですか? そんなことをする必要はありません。わが国には一定の現状があり、誰かの生活の妨げとなる問題があるとしたらそれらを解決するために変更が行われるべきなのです。
— そうですね、押し付ける必要はありません。ただドンバスの住民にはロシア語を話すことを許可して彼らのそうした権利を合法化してそれを剥奪すると脅さないことが必要です。
ドンバスの住民は、家庭や職場といった日常に限らず、自身の生活でいつでもどこでも使用できる公用語がないという問題がある、とみなしています。しかし、地方自治体や裁判所などでロシア語を話す場合にも、やはり問題はありません。もっとも、「この権利を守る権利」を要求する人が出てくるかもしれませんね。
それならば、たとえば、私は、もしも私が望むならドンバスでは私とロシア語で会話することを求めます。私は権利を有しており、それはグロマーダ(農村共同体)の権利であり、グロマーダが決めた以上は、その人とはロシア語で話し、イェナーキイェヴェでは英語で話したっていいわけです。これは私の権利であり、この権利は移譲されるべきであり、それを制限する人はいません。まさにこれが脱中央集権化なのです。
— ところで、あなたは、ウクライナで武力による政権の奪取が行われたとはみなしていませんね。
誰があなたにそのようことを言いましたか?
— 私たちはすべてこれを、例えばテレビの生中継で目にしました。
どこで目にしたのですか? 武力による奪取ですって? 誰が何を奪取したのか、教えてください。世界中のテレビで流れましたから、あなたにもお分かりいただけると思いますが、私は、12月1日、警察の守りにつき、あらゆる行政機関の建物のいかなる武力による占拠をも阻みました。
それは、紛争を通して一貫していた私の原則的な姿勢であり、私は、原則的にあらゆる建物の占拠に反対していましたが、どうやら、私の姿勢は、ウクライナ国民の絶対多数によって支持されたようです。
ウクライナ国家が存在しないことで自分の行動を正当化しようとするのはいかさまであり、何らかの口実で外国の軍隊を他国への導入することは国際法の違反であり侵略行為である…。私は、感情的に申し上げているわけではありません。これは、良し悪しではなく、姿勢の問題なのです。あらゆる国際裁判所へこれを委ねることができると私たちがみなすならば、ハーグの国際裁判所だって国連の国際裁判所だってありますから、裁判所を選んで裁いてもらいましょう。これも状況打開の選択肢の一つかと思います。
— ですが、ハーグの裁判所がどのように裁くかはだいたい見当がつきますね。
じゃあ、他の裁判所をお捜しください。ストックホルムにもありますよ。
— ロシアにはありません…
ロシアにもあります。サンクトペテルブルクの国際仲裁裁判所が。CISの通商問題の仲裁のための。私は、CISが機能すると約束したCIS自由貿易協定の調印に参加しました。
あなたは、そうした国際問題を解決できる裁判所が世界に存在しないとお考えなのですか? ありますよ。そのために国連が創設されたのです。
現在、そうした行動のために、ロシアは、残念ながら、国際的孤立に陥ってしまいました。
— ウラジーミル・プーチン氏の中国訪問は、ロシアは国際的孤立に陥っていることを物語ってはいませんけれども。
まあ、いいでしょう。私は、他人の不幸を喜んでこう言うのではなく、今日みんなが支払っている高い代価のことを言っているのです。
— 同情しているのですか?
もちろん。孤立は残念ですね、まったく。まさに同情しています。すべてこれは、現在ロシアやウクライナをはじめとした全世界がそのために支払っている代価に値しません。
— ところで、あなたは大統領になりたかったのですか?
こう言ってお分りならば、私は十字架としてこれを受け入れました。
— あなたはガス代を支払いますか?
ガス代? 支払いますかですって? もちろんです。どんな値段で…。
— これまで通り1千立方メートルあたり268ドルを要求しているのですか?
今のところ私は経営主体ではありません。
— けれども、あなたにはご自身の観点がおありでしょう。
私は、ウクライナ国家には何も負債はないとみなしています。わが国には、経営主体があり、260だったり460だったり550だったりと価格がころころ変わる経営主体間の契約があります。これは市場ではありません。私は、政治価格ではなく市場価格でガス代を支払いたいのです。
— それでも、存在する負債はやはり返済されるべきですよね。
奪取された「チェルノモルネフチェガス」の施設に対する負債がロシアには存在するのではないですか? それらに対して支払う必要があるのではないですか? あなたがたが私たちのウクライナの井戸を奪取したのに、それに対して誰かが支払うわけですか? その井戸はガスを採取していますが、そこへはウクライナの国家予算から資本が投下されています。誰がそれに対する支払をすべきだとあなたはお考えですか? それはへルソン州にあり、そこに上陸部隊が上陸しました。
―でも、これについては、別個にお話すべきでしょうね。
面白いですね。負債は支払うべきで、これは話し合うべき。あらゆることについて話し合うべきなのです。
あなたは、負債は支払うべきかと私に訊ねましたが、私は、すべてについて話し合うべきだと言っているのです。
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