ウクライナ東部のスラヴャンスクで拘束されたOSCE監視団の一人=ミハイル・ヴォスクレセンスキイ撮影/ロシア通信
「2014年5月3、4、5日をオデッサの服喪日とする」とオデッサ市議会のウェブサイトに記されている。2日に発生した悲劇を受けて、3日間の服喪期間が指定された。最新情報によると、市内の衝突の結果、40人以上が死亡。「右派セクター」の過激派によって放火された労働組合会館に、連邦化支持派の一部が閉じ込められた。オデッサの病院で治療を受けている174人のうち、25人は重傷。
オデッサ、クラマトルスク、スラヴャンスクで亡くなった人を追悼するため、モスクワでは2日夜、市民らがウクライナ大使館に花やロウソクを献じた。ライフ・ニュースがこれを伝えている。
ロシア上院(連邦会議)では、オデッサ事件国際捜査委員会の設立が呼びかけられた。
ウクライナ大統領府のアンドリー・センチェンコ副長官代行は、2日の「挑発行動の準備」に関与している警察幹部の逮捕の可能性を排除しなかった。「市政府のすべてのレベルに対し、また事件発生を許した者、適時に対策を講じずに悲劇を許した者に対して調査が行われるだろう」とウクライナのテレビで述べた。
「プーチン大統領はオデッサで殺害された人、焼死した人の親族に哀悼の意をささげ、この苛酷な作戦の負傷者の早期回復を祈っている」とドミトリー・ペスコフ大統領報道官は3日、記者団に語った。
「遺憾ながら、正式なウクライナ政府が不在であるため、政府への哀悼の意を示すことができない」
スラヴャンスクの情勢は緊迫している。市の郊外では3日夜、銃撃戦が始まった。目撃者の話によると、大砲の音だったという。
市民はウクライナ軍からの攻撃に備え、食料品の供給についての不安から、貯蔵するようにしている。店先には長い行列ができ、パンなどの一部商品は売り切れとなっている。
スラヴャンスク周辺の封鎖拠点では、連邦化支持派が見張りを続けている。
活動家(親露派)らは、ウクライナ暫定政権が、全欧安保協力機構(OSCE)の監視団が人質になっていたと見なしていたことから、解放によって攻撃が加速する可能性がある、と考えている。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、OSCE監視団がスラヴャンスクを去ったことから、新たな襲撃を許さぬよう呼びかけた。ラブロフ外相はドイツのフランクヴァルター・シュタインマイアー外相との電話会談で、ウクライナ軍が「右派セクター」の支援を受けながら、スラヴャンスクを含むウクライナ南部の都市への襲撃準備を行っているとの情報に懸念を示した。
またOSCE監視団がスラヴャンスクを去ったことが襲撃へのシグナルととらえられて、オデッサの流血の事態が繰り返されるような事態を、許さないよう呼びかけた。
シュタインマイアー外相は、ウラジーミル・ルキン・ロシア大統領特使が監視団解放に協力したことに、感謝を表明した。
クラマトルスクの自衛部隊(親露派)が占拠しているのは中心部のみで、市内の他の地区はウクライナ暫定政権側の軍に占領されていると、自衛部隊の幹部の一人であるイワンはロシア通信に伝えた。
銃撃戦は現在落ち着いているものの、自衛部隊は政権側の地区への突撃の準備をしているという。
自衛部隊の犠牲者の数は比較的少なく、3日に1人が死亡したのみだとイワンは話している。
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