ウクライナ問題で露中ともに“満足”

ロイター通信撮影

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は15日、中国を訪れ、習近平国家主席および王毅外相と会談した。会談の主な議題のひとつとなったのはウクライナ情勢。ロシア代表団に近い消息筋によると、中国はこの問題について慎重な姿勢を示しながら、ロシア政府を「可能な限り支持」しているという。

 ラブロフ外相が今回訪問した正式な理由は、5月に控えているウラジーミル・プーチン大統領の中国訪問の調整である。しかしながら会談では、議題が二国間関係にとどまらなかった。ラブロフ外相はこう述べた。「世界で問題は減ってはいない。その多くで両国は対応を密に調整しており、その意味で今日の会談は特に時宜にかなっている」。これは何よりもウクライナのことだ。

 ただし中国はウクライナ情勢が始まってからというもの、ロシア寄りか西側諸国寄りかといった点も含め、この件に関するいかなる声明も発表していない。国連安保理、次に国連総会で行われたクリミアの住民投票に関する決議案を中国が棄権したことについては、さまざまな解釈が可能だ。それでもプーチン大統領はクリミア半島編入に関する挨拶で、中国政府とその国民の支持に特に感謝を示した。ラブロフ外相は、中国が「客観的で思慮に満ちた立場」を取っていると強調した。

 

ウクライナ問題で「可能な限り支持」 

 ロシア代表団に近い消息筋はこう説明した。「中国は可能な限りのことをロシアにしてくれているから、それ以上望むことはできない。友だちの家に行って、無理なことをお願いしたら、どんな結果が待っているか?友だちを失うだけだ」。コメルサント紙に語った消息筋によると、ロシア政府はウクライナ情勢に関する中国の姿勢に「完全に満足」しているという。「そうでなければプーチンがあのような場所からわざわざ話さないだろう」

 ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)によると、王外相はウクライナ情勢に関する中国の姿勢について、中国にウクライナの不安定は必要ないと述べた。「すべての関係当事者の法的利益を踏まえることが重要。ウクライナ問題について、中国とロシアは密接に連絡を取り合っており、絶え間なく相互活動を行っている」と王外相。

 

中国の“漁夫の利” 

 モスクワ国立国際関係大学東アジア・上海協力機構研究センターのアレクサンドル・ルキン所長はこう話した。「中国は領土の一体性の問題を除き、実際にロシアのウクライナ情勢に関する立場を支持している。中国は世界でアメリカに抵抗する国があったことを喜んでいる。この時、中国とアメリカの関係に悪影響が及ぶことはなく、すべての批判はロシアに向けられる」

 ロシアと西側諸国の関係悪化は、ロシアと中国の大規模なガス輸出入契約の締結を後押しする可能性があるという。「ロシアが経済制裁によって、自国のガスを輸出する相手国が中国以外なくなったら、ロシアは価格面で妥協する可能性がある」とルキン所長。

 ロシア代表団に近い消息筋は一方で、ガスの交渉に政治を絡めるべきではないと話す。「これは100%経済問題。外務省は価格交渉に参加していない。必要なすべての政治的決定は、1990年代半ばに行われた」

 ロシアと中国の契約については、すでに10年近く条件の交渉を行っていると、アルカディ・ドヴォルコヴィッチ副首相が述べている。ロシアの国営ガス会社「ガスプロム」のアレクセイ・ミレル社長は、中国に380億立法メートルのガスを輸出する契約を、今年末までに発効させることを約束している。

 

*以下の記事を参照。

コメルサント紙

ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)