クリミア編入直後に銃撃事件

ロシア黒海艦隊司令のアレクサンドル・ヴィトコ氏=AP通信撮影

ロシア黒海艦隊司令のアレクサンドル・ヴィトコ氏=AP通信撮影

ロシア連邦へのクリミア編入条約に署名が行われた直後から、悲劇的な事件が発生した。シンフェロポリ市で18日、狙撃手による発砲の結果、クリミア自衛部隊の兵士とウクライナ軍の軍人が死亡し、2人が負傷。さらに19日、セヴァストポリ市の住人とクリミア自衛部隊が、ウクライナ海軍参謀本部を占拠した。

 クリミア自治共和国内務省は18日の狙撃を、緊張と編入の複雑化を目的とした挑発であると考えている。クリミア自治共和国のセルゲイ・アクショノフ首相は、この攻撃がキエフの「欧州広場」への狙撃と同じ構図で組織されたと述べた。「一ヶ所から、ウクライナの軍人と我々の自衛部隊の兵士の二拠点に向けて、発砲が行われた。犯人を必ずつかまえる」

 ウクライナ国防省はこれを受けて、クリミアのウクライナ軍の軍人に武器の使用を許可。ウクライナ暫定政権のアルセニー・ヤツェニュク首相は、これをロシアの責任とし、国際問題に発展させようとした。「ロシア軍がウクライナの兵士に対して発砲を始めた」と述べ、「ロシア軍の軍人によって政治的対立から軍事的対立に変わる」ことから、ウクライナ国防省、アメリカ、イギリス、ロシアの関係者が参加する委員会の創設を要請した。

 ヤツェニュク首相は19日、ウクライナのイーゴリ・テニュフ国防相とヤレマ第1副首相に、情勢安定のために速やかにクリミア入りすることを命じたが、クリミアはこれを拒んだ。

 

ウクライナ軍の“選択肢” 

 同日朝、さらにもう一つの事件が発生した。セヴァストポリ市で住人とクリミア自衛部隊がウクライナ海軍参謀本部の敷地内に侵入。ウクライナ軍の軍人が建物を包囲しようとしたが、これは突破された。セヴァストポリ市の住人はウクライナの国旗を旗竿からおろし、ロシアの国旗と聖アンドレーエフ旗(ロシア海軍旗)を掲揚。その後、ウクライナ軍が建物を去れるように、通路を設けた。衝突は起こらなかったが、個別の小競り合いはあった。

 参謀本部にはセヴァストポリ市のロシア編入を支持する集会参加者が残り、ウクライナ軍の軍人に自分たちの仲間になるか、クリミア半島から去るかの選択肢を提案した。

 ロシアへのクリミア編入の提案には、クリミアに配備されているウクライナ軍部隊が、ロシア軍に入ることも盛り込まれている。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官はこう述べた。「ウクライナ軍の軍人はクリミア軍の部隊、その後ロシア軍に加わることができる。または自由にクリミア半島を去ることもできる」。一部報道によると、ウクライナの海洋警備隊の部隊は、すでにクリミア撤退を始めているという。他のウクライナ軍関係者については、これからの問題となる。

 

*ロシア通信、ヴズグリャド紙の記事を参照。