クリミアとセヴァストポリの編入

3月18日、プーチン大統領、セルゲイ·アクショーノフ・クリミア首相(左)、ウラジーミル・コンスタンティノフ・クリミア最高会議議長(左から二人目)、アレクセイ・チャルイ・セヴァストポリ特別市市長が、 クレムリンでのクリミア併合調印式の後、連邦議会議員の前に立つ=コンスタンチン・ザウラジン / ロシースカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)

3月18日、プーチン大統領、セルゲイ·アクショーノフ・クリミア首相(左)、ウラジーミル・コンスタンティノフ・クリミア最高会議議長(左から二人目)、アレクセイ・チャルイ・セヴァストポリ特別市市長が、 クレムリンでのクリミア併合調印式の後、連邦議会議員の前に立つ=コンスタンチン・ザウラジン / ロシースカヤ・ガゼタ(ロシア新聞)

ウラジーミル・プーチン大統領は3月18日、クリミア自治共和国とセヴァストポリ特別市を、構成主体としてロシア連邦に編入することを定めた、国家間編入条約に署名を行った。専門家によると、編入手続きは今年末までに完了する見込みだという。

条約調印前のプーチン演説

 プーチン大統領は条約への署名に先立ち、上下両院(連邦会議および国家会議)議員を前に臨時演説を行った。ロシアとクリミアには共通の歴史があり、クリミアのロシア語系住人は「強制的な同化」の試みに疲れ、ウクライナ国民全体が政府の活動に疲れていると述べた。「大統領、首相、最高会議の議員は変わったが、自国ならびに自国民に対する姿勢は変わらなかった。政府はウクライナを絞り取り、全権、資産、資金流動をめぐって争っていた」

 ウクライナは依然として合法政府不在の状態であり、多くの国家機関が過激な民族主義者によってコントロールされていることを強調した。「ウクライナには合法的な執行政府がいまだに不在で、誰とも対話ができない」とプーチン大統領は述べた。

 武力侵略や併合との批判については、ロシアはクリミア半島に軍を投入しておらず、国際法で定められている数的限界を超えることなく、当地での自国の“集団”を強化したにすぎないと述べた。

 この時、ロシアがクリミアに暮らす住人すべての権利を重んじ、その自己同一性を尊重することを伝えた。「クリミアでロシア語、ウクライナ語、クリミア・タタール語という3つの言語が平等に使用されることが正しい」

 

条約の批准

 クリミア自治共和国とセヴァストポリ特別市を構成主体としてロシア連邦に編入することを定めた国家間編入条約には、プーチン大統領、クリミア自治共和国のウラジーミル・コンスタンチノフ議会議長とセルゲイ・アクショノフ首相、セヴァストポリ特別市のアレクセイ・チャルイ市長が署名を行った。

 本条約への署名をもって、クリミア自治共和国がロシアに編入されたとみなされると書かれている。ロシア連邦には、クリミア自治共和国とセヴァストポリ連邦市という、新たな構成主体が創設される。

 しかしながら、編入手続きを法的に完了させるには、条約をロシアの議会で批准し、さらに条約が憲法に準拠しているかをロシア連邦憲法裁判所で審査する必要がある。演説を聞いた下院議員らは、速やかな批准を行うことを表明。19日にはクリミアの代表団との会談を行う。ヴァレンチナ・マトヴィエンコ上院議長と上院議員は18日夜、代表団との会談を行った。上院は21日にも批准する可能性がある。

 条約によると、移行期間は2015年1月1日までで、ロシア連邦の経済、金融、融資、法的システムに統合する問題が整備されるという。

 ロシア連邦の規範的・法的文書は、クリミア自治共和国において、18日より有効になっている。クリミア自治共和国とセヴァストポリ特別市の規範的・法的文書は、移行期間満了まで、またはしかるべきロシア連邦の規範的・法的文書が採用されるまで有効である。

 

法律の専門家の意見

 モスクワ国立大学法学部憲法・行政法講座の教授で、ロシア連邦社会会議のメンバーであるエレーナ・ルキヤノワ氏は、条約文についていつ話し合いがなされたのかわからないと述べた。「クリミア政府がロシアの議会に要請を行った後、編入条約について議員に諮問するはずだが、このようにすばやく提出し、批准することが可能なのか、今のところわからない。今のところすべてが、新構成主体受け入れ手順に関する、憲法の規定にのっとって行われているし、国内の既存の手順に完全に準拠しているが」。他の国家に対してこのような手続きが行われたことはないことから、実現の微妙なところはまだ不明だと話す。「ロシア政府からなぜこれほどすばやく決定がだされたのかについては、1774年キュチュク・カイナルジ条約で説明することが可能だと考える。この条約では、クリミアがロシアから抜けた場合、トルコがその領有を主張できることになっている」。

 ルキヤノワ氏は、ロシアの国内法に完全に準拠していたとしても、国際法で未解決の問題がたくさんあると話す。

 国立経済高等学院・一般政治学講座主任であるレオニード・ポリャコフ氏は、この条約に署名を行ったことで、ロシア連邦法に修正を加えなければいけなくなると説明した。「例えば、連邦法的機関でクリミアやセヴァストポリの代表となる、議員の数を増やさなければならない。すべての手続きは今年の年末までに完了すると思う」