ロイター通信撮影
-数年前に応じたあるインタビューで、自由はあるほうが良いとの単純な理由により、非民主主義国家が真の繁栄を遂げたことはないとおっしゃっていましたね。明らかに自由が欠如しているロシアを、世界は驚き、失望、不安を持って見つめていますし、プーチン大統領が野党を厳しく統制する様子を目の当たりにしています。同性愛者の権利はどうなっているのでしょうか。
ロシア国内の実際の現状と、その外国の解釈には、異世界ほどの違いがあるように思えます。これには多少の不安を感じます。むろん、現代の民主主義国家集 団の中で完全に成長するには、互いに理解しあい、同じ考え方を持つ必要があるということには賛成ですが。自由はないよりもあるほうが良いと、確かに言いましたし、現在でもその考えはまったく変わっていません。ですが、ロシアの全体的な雰囲気や状況が暗く、難しく、人権が弾圧されていると言われてしまうとですね…
-人権、民主主義、また政治に対する自分の意見を自由に言えることは、民主的権利の基本です。
おっしゃる通りで、ロシアの現状が理解されていないと考えます。
-ですが、ロシアには野党がないでしょう。
野党についてですが、我が国の国会には政党が4党あります。そのうちの1党、すなわち私が率いる「統一ロシア」のみが、現政権と関連しています。我が党 は過半数以上の議席を持っているのですから、これは普通のことですね。国会のほぼ半数の議席が他の3党のものです。また、私が大統領を務めていた時に政党 の登録を簡略化する法案を進めたため、今では約100党の登録された党があります。これらは多種多様かつ大小様々な政治集団です。したがって、野党の場所が存在しないというのは、思い込みでしょう。
-政府の政策に反対するジャーナリストを含む、そのような人の多くが、今罰を受けていますが。
失礼とは思いますが、ジャーナリストも他の人々と同様、間違えることもありますし、事実を大げさにしてしまうこともあります。主要な勢力が実施する政策以外、個別の政策がない、などと言われるのは適切ではありません。ロシアの政治生活は十分に豊かです。国会内の政党である国会政党、そして政治キャリアをスタートさせたばかりの、国会に加わろうとしている政党があります。ただ、この政治生活は複雑で激しいです。もし誰かが政治的目標を達成できなければ、生活や仕事をさせてもらえない、国会に参加させてもらえない、政治的目標を達成させてもらえないなどと言いますが、それはロシアだけでなく、他の国の非主流 集団や二次的集団も同じことを言います。
市民の自由と法律についてですが、評価は異なりますし、評価する権利はジャーナリスト、アナリスト、ロシア人、外国人など、すべての人にあります。です が全体的な構造、立憲制度、利益のバランスをとる法体制、我々の市民の主な自由と権利を定める体制について話をするのであれば、1993年に憲法が制定さ れた時から、何も変わっていません。
反響のあった法案についてばかりお話をされていますね。
-同性愛宣伝禁止法のことですか。
例えば、です。感情的な反応があったり、ロシアの現状とはかけ離れた話がなされたりしています。これらの主な批評、すなわち95%ないしはそれ以上のコメントは、外国で発せられているものであり、ロシア国内ではこのテーマについて、誰も話をしていません。
-多くのロシア人は怖いと言っていますし、同性愛者など、多くの人がロシアから出国しています。彼らは不安を感じ、将来を案じています。どうやって、このような人々を安心させるのですか。
非伝統的な価値観の宣伝禁止法をめぐる状況についてお話になっているのであれば、まず、この問題はロシアのごく少数の人の心配ごとです。次に、私は今のところ、この法律が実践されている例をほとんど聞いていません。話題性が高い割には、まったく適用されていないんです。さらに、これまで何度も申し上げましたが、世界にはこのような性的関係が禁じられている国も多々ありますが、ロシアでは禁止されていません。したがって批評は、ロシアの実際の現状や同性愛者の権利とは、何ら共通性のないものなのです。
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