「日本との2プラス2閣僚会議は、特権的な対話の形態」

日本の杉山晋輔外務審議官とロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官=タス通信撮影

日本の杉山晋輔外務審議官とロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官=タス通信撮影

ロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官は、ロシア通信社へのインタビューに応じ、11月初めの露日外務防衛担当閣僚会議(2プラス2)および露日関係の諸問題とその解決の見通しについて次のように語った。

東京で112日に露日外務防衛担当閣僚会議(2プラス2)が開かれますが、この会議の議題はどのようなもので、どういった成果が期待できるのでしょうか?

 ご案内の通り、セルゲイ・ラヴロフ外相は、11月1日と2日に日本を実務訪問し、セルゲイ・ショイグ国防相とともに露日協議(2プラス2)の第一ラウンドに出席する予定です。こうした会議の開催に関する合意は、4月の日本の安倍晋三首相のロシア公式訪問の際に両国の首脳によって達せられました。

 2プラス2は、国防や安全保障の枢要な問題に関する信頼するパートナー同士の意見交換を見込んでいる、特権的とも言える特別な対話の形態です。アジア太平洋地域の主要国の一つでロシアの隣国である日本は、そうした対話に強い関心を示しました。地域および地球規模の枢要な問題における協調を深めようとする日本の姿勢を歓迎して、ロシア側も、日本とそうした対話を始めることに同意しました。

 来る協議は、充実したものとなりましょう。閣僚らは、アジア太平洋地域の安全保障面の状況について意見を交わし、同地域に存在する安定性へのリスクや脅威についてヴィジョンを述べ合う意向です。とくに、すべての地域諸国の国益の考慮、平等、公開性という原則に基づいた、アジア太平洋地域における包括的な安全保障と協力関係の構築の見通しに関する協議に注意が割かれるでしょう。

 地域における米国の対ミサイル防衛システム創出の問題も話し合われましょう。アメリカの対ミサイル防衛システムの日本への配備計画に関連してロシアには訊きたいことがたくさんあり、私たちは、これに関する自国の意見を述べ、日本側の考えに耳を傾けます。安倍晋三氏が唱える『積極的平和主義』の原則に基づいて自国の国際的イメージのアップを図ろうという日本政府の方針の具体的なパラメータにも関心があります。セルゲイ・ショイグ国防相と小野寺五典防衛相の会談では、両国の国防担当省間の相互理解の深化の問題も話し合われるでしょう。

 来る協議で何らかの具体的な合意が達せられる可能性について語るのは時期尚早です。重要なのは協議が開始されたということであり、こうした形での対話が定期的なものとなるよう期待しています。

 

2プラス2協議では露日平和条約締結のテーマは取り上げられますか? 

 もちろん、両国の外相は、11月1日の個別会談においてこの問題にも触れる可能性があります。しかし、双方の関心は、主として、4月に両国の首脳によって採択された露日間のパートナーシップの発展に関する共同声明を踏まえた、両国間の政治対話と経済協力の見通しや文化面および人道面の交流の促進に向けられましょう。セルゲイ・ラヴロフと岸田文雄の両外相は、国際問題における協力強化のテーマも取り上げるでしょう。

 

2プラス2の第一ラウンドを前に、日本のメディアでは、こうした協議は、中国に起因した地域の安全保障に対する潜在的脅威について日本側と話し合うことを目的に、ロシア側が提案した、との報道も現れましたが、これについてはいかがですか?

 それは違いますね。2プラス2という形の協議は、日本側から持ちかけられました。いいですか、ロシアは、日本とのあらゆる関係に関する開かれた意見交換の重要性を認識して、この対話に同意したのです。東アジアの状況や朝鮮半島の核問題など、協議すべきテーマはたくさんあり、私たちは、イランの核プログラム、アフガニスタンやシリアの情勢といった他の地域の問題についても話し合う用意があります。

 しかし、中国については、私たちは、日本とこれまでにも決して協議を行いませんでしたし、今後も行う予定はありません。それは、日本について中国と協議しないのとまったく同様です。日本側は、中国はロシアの戦略的パートナーであり、ロシアがその背後で中国について協議することはない、ということをよく認識しています。

 「反中国カード」を切る報道を喜ぶのは、まず第一に、平和条約に関する問題においてロシアがより「与しやすく」なることを見込んで、ロシアと中国の関係に亀裂を生じさせ、日本を中国からロシアを守る潜在的な盾にしたいと考える人たちですが、ただ一つ言えるのは、そうした努力が実を結ぶことはないということです。


元記事(露語)

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる