「ロシアはシリア紛争に介入するつもりはない」

プーチン大統領はシリア紛争や元CIA職員のスノーデン氏について語り、ゲイ・コミュニティの代表に対話を呼びかけ、G20の議題について述べ、アメリカの大統領との会談を待ち望んでいると話した =ロイター通信撮影

プーチン大統領はシリア紛争や元CIA職員のスノーデン氏について語り、ゲイ・コミュニティの代表に対話を呼びかけ、G20の議題について述べ、アメリカの大統領との会談を待ち望んでいると話した =ロイター通信撮影

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、G20サミットを前に、第一チャンネルとAP通信のインタビューに応じ、シリア紛争や元CIA職員のエドワード・スノーデン氏について語り、ゲイ・コミュニティの代表に対話を呼びかけ、G20の議題について述べ、アメリカの大統領との会談を待ち望んでいると話した。

シリアについて 

 私たちは、少なくとも国連の査察団が行った調査の結果を待つ必要があるとみなしています。米国にさえ、当局が提示した証拠には信憑性がないとみなし、反政府勢力が軍事介入の口実を支援国に与えるためにあらかじめ計画された挑発行為を行った可能性を排除していない専門家たちがいます。

 現行の国際法によれば、主権国家に対する武力行使を許可することができるのは、国連安保理のみです。独立した主権国家に対する武力行使を正当化する口実や手段は、許されるものではなく、それは、侵略以外の何ものでもありません。

 国連は、シリアへの武器の供給に対して何ら制限を設けていません。私たちは、S-300の個々のコンポーネントを供給しましたが、今のところ供給は停止されており、すべての供給が完了してはいません。しかし、もしも現行の国際法に違反する何らかの措置が講じられるようならば、武器の供給を含めて今後の行動を考えることになります。私たちは、もちろん、いかなる紛争にも介入するつもりはなく、そのようなことはしません。

 

G20について

 G20サミットでは、世界の経済問題、失業や汚職や脱税の対策などが議題となります。世界経済の発展と新たな雇用創出のいわゆる「サンクトペテルブルク・プラン」が用意されています。私たちは、汚職の取り締まりに関連した一連の姿勢や必要なオフショア対策について合意しました。

 

オバマ氏の訪問について

 私は、バラク・オバマ米国大統領がモスクワへ来られ、山積した問題を話し合う機会が訪れることを望んでいます。ペテルブルグでのG20サミットの際にぜひ会談できればと思います。これまでの会談はたいへん建設的なものでした。もしもG20の過程で会談が行われれば、有益なものになると確信します。軍縮、世界経済の発展、北朝鮮やイラン、テロ対策など、問題は多岐にわたっています。協力は打ち切られておらず、それがさらに発展するものと信じています。

 

スノーデン氏について

 私たちは、スノーデン氏を保護しているわけではなく、米国との間には、犯罪者の相互引き渡しに関する協定がないのです。私たちは、再三、そうした協定を結ぶよう提案しましたが、拒否されました。私は、将来、双方がしかるべき合意に達することを願っています。アメリカの特務機関としては同氏を裏切り者扱いにしたいところでしょうが、同氏は、まったく別の物の見方を具えた人物で、自らを人権をめざす闘士であると感じています。私たちには、同氏に何らかの協力をさせようとか、同氏から何らかの情報を得ようといった考えはありません。

 

ゲイについて

 この国には、非伝統的な性的傾向の人々に反対する法律はありません。ロシアでは、未成年者に対する非伝統的な性的傾向の宣伝の禁止に関する法律が採択されています。こうした法律を提案したり採択したりした人たちは、同姓婚では子供が生まれないという考え方に立脚しています。ロシアは、人口動態学的にみて困難な時代に直面しているのです。

 どなたか私と会いたいという方がいれば、どうぞ。ただ、今のところ、そうした話はきていません。

 

オリンピックについて

 ロシアは、準備全体には、他の国より多くのお金をかけたかもしれませんが、オリンピック施設そのものに使ったお金は、他の国より多くはありません。オリンピックの準備に、総額2140億ルーブル(約6420億円)を費やしました。そのうち、1000億ルーブルは国家の、1140億ルーブルは民間の投資です。インフラには、もっと多くの資金が投じられました。私たちは、ロシア連邦の南部が快適で魅力的な地域となるよう、意識的にこれを行いました。

 

反体制活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏の事件について

 同氏の事件の詳細は知りませんが、この事件に関して裁判所の有罪判決があることを知っています。これは、権力を罵倒したために反体制活動家が捕えられる事例ではなく、裁判所にも法保護機関にも、同氏について考えるべきことや語るべきことがあるのです。汚職の取り締まりを口にするならば、まず第一にその人自身が申し分なく潔癖でなくてはなりません。

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