サンクトペテルブルクで行われた記者会見で、ユダエワ氏は、G20の議長としてのロシアの特徴を語り、9月5~6日に行われるG20首脳会議の議題の詳細を明らかにした =Vostock-Photo撮影
G20議長としてのロシアの特徴
ロシアが提案する主なテーマは、経済成長の刺激。この方向で進めた主要な作業は、確固たる成長への移行戦略を含む「サンクトペテルブルク発展プラン」に 反映されるようだ。「サンクトペテルブルク・プランには、主要な問題の分析、財政政策分野の義務、成長刺激対策、雇用創出が含まれる」とユダエワ氏。
G20の議長としてのロシアの第二の特徴は、厳しい時期に行われたG20の作業の取りまとめ。ロシアNOWが、その詳細を質すと、ユダエワ氏は世界不況を乗り切る上で、G20が大きな役割を果たしたことをあげた。
「各国がひとつになって不況を乗り越えた。金融保険のメカニズムを創設し、国際通貨基金(IMF)の改革を始めた。今は2008年の危機をくり返さないよう、G20で対策が講じられている」。
G7は西側世界の利益を一致させる会、またG8は北半球の国家の会だったが、G20は全世界の状況を反映しているという。
第三の特徴は、どの国に対しても似たような提言をすることを止めた点。各国が選択できるよう、複数の対策を示すことになる。その結果、各国が活動の独自のプランを作成できるようになる。
ユダエワ氏によると、サンクトペテルブルクの首脳会議で鍵となる文書は、会議の終了時に署名が行われる宣言、サンクトペテルブルク発展プラン、税金に関する活動計画、政治の新たな発展の方向性に関する報告、国際金融システム改革に関する報告だという。
エネルギーと汚職対策
議長国としてのロシアが注目している他の分野では、エネルギーと汚職対策をあげることができる。議長を務める中で、エネルギーの価格から、この分野への投資の規制についての議論へと、各国は移行した。この協議には金融業界も呼びこむことができた。
「汚職の問題についてもしっかりと取り組んだ。2ヶ国語の反汚職計画を作成し、ロシアの汚職の状況を分析し、大型のスポーツ大会を実施する際の汚職対策につても協議。また外国の実績を学んだ」。
今年初めに行われたG20では、アメリカと日本を中心とした、いくつかの国の非標準的な金融政策がまず議題にあがったことにも、ユダエワ氏は言及した。ロシアが議長国になってから、通貨戦争のテーマや、切り下げ競争防止のメカニズムのテーマが活発に取り上げられた。
G20首脳会議では、不況を乗り越えるために多くの国で行われた、刺激策の効果について話し合われる予定。また、現代の貿易システムの支援や、新興国の役割強化も取り上げられる。ユダエワ氏によると、G20の一環として、世界における価格設定のメカニズムの研究が行われ、また新興国がこのメカニズムに加われるような政策が作成されたという。
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