反政権派ナバリヌイ氏が市長選に出馬

=タス通信

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モスクワ市選挙委員会は7月17日、「ロシア共和党・人民自由党」が推薦する反政権派アレクセイ・ナバリヌイ氏の、モスクワ市長選への立候補届け出を受 理した。だが18日にも、ナバリヌイ氏が被告となっている「キーロフ木材」事件の判決が下り、6年の禁固刑が言い渡される可能性がある。禁固刑あるいは執行 猶予6年の判決が下された場合、ナバリヌイ氏は出馬を取り消さなくてはならなくなる。専門家は、ナバリヌイ氏の参戦が、政府にとって有利になると考える。

 モスクワ市選挙委員会のワレンチナ・ゴルブノワ委員長は、ナバリヌイ氏が提出した書類にはいかなる不備もなく、立候補者として無事登録されたと話し た。

 同じく市長選に立候補したのは、ロシア民主党「ヤブロコ」のセルゲイ・ミトロヒン党首。ミトロヒン党首が提出した市議会議員115人分の署名のうち、 114人分が有効と認められた。必要な最小署名数は110人分。2015年の任期満了を待たずにモスクワ市長を辞職し、現在暫定市長を務めているセルゲ イ・ソビャーニン氏は、すでに立候補届け出を認められている。

 

6人の戦い 

 この他に現在、正式な立候補者となっているのは、「公正ロシア」のニコライ・レヴィチェフ党首、ロシア自由民主党のミハイル・デグチャリョフ下院(国家 会議)議員、ロシア連邦共産党のイワン・メリニコフ第一副議長。総勢6人の戦いとなる。市長選への出馬を目指し、選挙委員会に書類を提出したのは30人以 上だが、必要な署名数を集めることができずにそのほとんどがあきらめることとなった。

 野党候補者の中ではナバリヌイ氏が優勢な一人であると、政治学者は予測する。「キーロフ木材」事件の判決は18日に下されるが、ナバリヌイ氏とその支持者は、この事件が捜査委員会のでっち上げで、政治活動を妨害するためのものだとしている。

 

得票率はせいぜい57% 

 だが専門家は、ナバリヌイ氏が選挙に出馬し、最後まで選挙活動を行うことが、政府にとってむしろ有利になると考える。「ナバリヌイ氏には禁固刑は言い渡 されないと思う。それよりも執行猶予が言い渡される可能性が高い。同氏が市長選に出馬すれば選挙自体の合法性が高まり、さらに反政権派の敗北ぶりもアピー ルできる。同氏の可能性は過大評価されているだけで、得票率はせいぜい5~7%だろう。与党『統一ロシア』の市議会議員の署名を一部受け取ったことも、野 党派からすれば裏切り行為に映る。同氏が野党の統一候補となるかはわからないが、ロシアの野党は統一候補擁立がうまい」と、ロシア連邦政府財政金融大学政 治学研究センターのパーヴェル・サリン所長は説明する。

 

「テレビに出れば雄弁で圧倒」 

 一方で、「サンクトペテルブルクの政治」基金のミハイル・ヴィノグラドフ理事長は、ナバリヌイ氏の選挙運動への参加が注目を浴び、ソビャーニン氏を圧倒す る可能性があると考える。「ナバリヌイ氏は雄弁家そして論客として他の候補を凌駕しているから、テレビに自由に出演できるか、また年金生活者などの新たな 支持層を獲得できるかによって、すべてが変わってくる。さまざまな有権者に受け入れられるような話し方ができる人物だ」。

 ソビャーニン氏は、ナバリヌイ氏が選挙運動に参加し続けると考えている。モスクワ市選挙委員会は以前、ナバリヌイ氏に有罪判決が下されれば、立候補の登録 が外されると伝えていた。ナバリヌイ氏自身も、有罪判決を受ければ立候補を辞退する構えだ。それでも政府への批判をやめることはない。

 ナバリヌイ氏は16日、ウラジーミル・プーチン大統領に対し、公開株式会社「ロシア鉄道」のウラジーミル・ヤクーニン社長が高額な不動産の所有者になっ たことについて、合法性を調査するよう要請した。このプーチン大統領への呼びかけは、ナバリヌイ氏のブログ上で行われた。プーチン大統領以外にも、捜査委 員会、総検事局、FSB、議会政党などに要請している。ナバリヌイ氏の反汚職基金は、モスクワ州にあるヤクーニン社長の別荘の土地に関するロシアの報道を 受けて、独自に調査を行っている。

 

*インターファクス通信、「レンタ・ル」の記事を参照。