ウクライナでの防衛権

セルゲイ・ヨルキン

セルゲイ・ヨルキン

ロシアおよびウクライナ東部が肯定的にとらえた、ロシア上院(連邦会議)の満場一致の決定。ウクライナで社会、政治情勢が正常化するまで軍事力行使を可能にすべきとの、ウラジーミル・プーチン大統領の要請が支持された。これはウクライナへのロシア軍即時投入に関する一義的かつ撤回不能な決定ではない。

 これは今のところ、まずウクライナ政権を奪取したせん称者、次に西側諸国の「人形遣い」に対する警告である。

 ロシアは軍事的シナリオとそれについての決定をどこよりも嫌がっていた。だがロシア語系住民の生活に現実的な脅威がある状況下で、手をこまねいて待っているわけにもいかない。そのような人々が殺されたり、殴られたりするのを黙って見ていることなどできない。

 ロシアはこの時、ウクライナの非合法的かつ反憲法的政府を支援する西側諸国とは異なり、法的領域内で活動している。そのため西側諸国の反応は、ロシアの動きに対する不満にもかかわらず、口頭の批判とソチ主要8ヶ国(G8)首脳会議への不参加の可能性を示唆するにとどまっている。

 ロシアに対する経済制裁の可能性に言及したアメリカのジョン・ケリー国務長官の声明は、驚き以外のいかなる感情も呼び起こしていない。というのも、西側諸国にとってのロシア市場は、ロシアにとっての西側市場よりもはるかに重要だからだ。ここにはロシアのガスと石油を拒否した場合の、ヨーロッパ諸国の経済崩壊の可能性は含まれていない。

 完全な戦闘準備を整えたウクライナ軍(の一部)、義勇兵、キエフの軍事委員部が、ハルマゲドンのごとくエスカレートするなどと警戒する必要はない。どれも国内外向けの虚勢とプロパガンダがほとんどである。

 ここ数ヶ月武器を持ち、キエフの通りで民主化を根付かせている人の間には、自分の信念のために戦おうと考えている人がたくさんいる。一方で、ウクライナ人の大半は、戦争に関わろうとは考えていない。

 この時、西側の組織も、キエフの”革命家”も、自分たちが活発な軍事活動を始めるような状況には置かれていないことを非常によく理解している。ロシアの立場は逆に、より有利に見える。

 ロシアは占領や主権の剥奪などをしようとはしておらず、行動するとすれば、防衛のためだけである。その権利は世界の大国すべてが保持し、しばしば利用している。

 ロシアの対ウクライナの方針に対する、ヨーロッパとアメリカの反応はさまざまである。最高指導者を含む、個別の政治家の厳しい意見はあるものの、すべての高官が同じ意見というわけではない。

 情報的対決や外交的対決がすぐに終わることはないだろうが、ロシアを経済的あるいは政治的に孤立化させるという話にまでは発展しない(とんでもないことが起こらなければだが)。

 ロシアは意見が無視されるような小さな国ではない。ロシアには正義と国民の支持があり、同盟国がいる。そして軍も。

 

元記事(露語)