コンスタンチン・マレル
ロシアに対する反対勢力はソチ五輪のボイコットを組織することに失敗した。世界の多くの首脳が開会式への出席を拒否したからといって、イベントが崩壊するわけではない。
ソチ五輪はプーチン大統領の個人的な威信がかかったプロジェクトと見なされている。五輪にかけられた巨額の費用を多数の人々が浪費とみなす一方で、プーチン大統領はこれを国家意識向上に対する投資と呼んでいる。
しかし、西側諸国の多くの政治家たちがソチ五輪をボイコットする必要性について議論した。これはロシアの「反同性愛者プロパガンダ法」を根拠とするもので、確かに多くの要人たちがオリンピックへの出席を辞退している。この中には、米国、ドイツ、フランス、ポーランドの大統領に加えてベルギーとカナダの首相も列挙される。
しかし、これらの首脳が姿を見せないからといって、実際のボイコットに相当するわけではない。出席拒否の理由を公にロシアの人権侵害と結びつけるのはリトアニアとドイツの両大統領を含む数人の国家元首くらいだ。
他の元首の欠席理由は政治的敵対というよりも、プーチン氏との親密な個人関係が特にないという理由によって説明できる。
米国のオバマ大統領はロンドン五輪とバンクーバー五輪に出席しなかった。ドイツのメルケル首相は8年間の在任中にいずれのオリンピックにも出席していない。
一方、オランダ王室は、オランダでロシア外交官が拘束され暴行を受けた事件などがあったにもかかわらず、出席を予定している。
さらに、ロシアとグルジアの関係は相互不信にあっても、グルジアのガリバシュビリ首相は国境に近いソチ周辺地域警備でロシアへの支援を申し出ている。
ソチ五輪はロシアのグローバル社会からの孤立を示す大会ではなく、各国間で平和と協力を推進するものであることを示している。
ゲボルク・ミルザヤン、ロシア科学アカデミー・米国カナダ研究所研究委員兼
エキスパート誌特派員
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