世界最大の研究原子炉、ロシアで建設始まる

 ロシアで原子物理学の世界における近年最大のイベントが起こった。国家科学センター「原子炉研究所」(ディミトロフグラード市。ウリヤノフスク地域、ヴォルガ地域)で、高速中性子による多目的研究炉MBIRの建設が始まった。連邦ターゲットプログラム「新世代の原子力技術」の枠組みでのことだ。稼動開始は2020年に予定されている。

 MBIRは、世界で最も強力な研究炉となる。熱容量は150メガワット。その性能上の特性によって、グローバルな原子力産業の抱える色々な問題が解決されるようになる。たとえば、安全な原子力発電所、たとえば核燃料サイクルを完結させるための高速中性子炉を建設する問題などだ。MBIRをベースに国際研究センターが設立される予定。ここでは新たな核燃料、建築資材、熱伝導体が研究・開発される。またMBIRは様々な目的で用いられる放射性同位体の製造にも使用され、医学研究も行なわれる。

 MBIRはロスアトムの総力を挙げたプロジェクトだ。先に挙げた国家科学センター「原子炉研究所」に加えて、レイプンスキイ記念物理学エネルギー研究所が原子炉設置の監督を務め、ドレジャリ記念エネルギー技術研究設計所が原子炉装置の設計主任を担い、原子炉建設の総監督を担うのはウラルエネルゴストロイ社だ。原子炉建物と内部の装置はAEMテクノロジー社が担う。

*「Sputnik日本」より転載

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