東郷元外務省欧亜局長「日本はG7に対ロ制裁緩和を説得すべき」

ロ日関係の最も権威ある専門家の御一人で、日本外務省の元欧亜局長を務められた東郷和彦京都産業大学付属世界問題研究所長は、ロシア通信記者のインタビューに応じ「日本は,対ロシア制裁緩和の必要不可欠性についてG7諸国を説得すべきだ」との見解を示した。

 東郷氏は、インタビューの中で、次のように指摘した―

 「現在ロシアは、大変重要で困難かつ複雑な時期を経験している。問題は、ロシアの地政学的存在とアイデンティティに触れるものだ。現在の条件下では、領土問題も又大型経済プロジェクトの話し合いも実際のところ、大きな進展は望めない。それを前に進めるためには、日本はロシアに対する自分達の立場を変えなくてはならない。

 日本は、G7メンバー国に対し、『プーチン大統領は悪い奴であり、それゆえ制裁を科せば、彼は行動を改めるだろう』といったオバマ大統領の立場が正しくない事を説得し、それを証明すべきだ。日本は、G7メンバー国の間で仕事をし、他のメンバー国に対して、制裁をやめるかあるいは弱める必要性を働きかけなくてはならない。日本がそうした事をしなければ、対ロシア交渉における目立った進展など期待できない。」

 このように述べた東郷氏は、ウクライナでの出来事と北方領土問題を比較した岸田外相の発言について、次のようにコメントした―

 「岸田外相の発言は残念だった。彼は、プーチン大統領と安倍首相の間では、双方にとって受け入れ可能な、敗北者のいない領土問題の解決法を模索する事で合意が達成されたと言うべきだった。誰が正しく、誰がそうでないのかコメントしないと述べるべきだった。様々な意見があるが、それらは交渉の過程で討議すべきだ。交渉プロセスが続いている間は、そうした事を口に出してはならない。」

 

*「ロシアの声」より転載 

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる