モスクワに100以上の川があり、おそらく1300以上の水路(川、泉、小川)があると知ったあなたはきっと驚くだろう。というのも、目に見える川といえば、モスクワ川とヤウザ川の2つしかないからである。しかしながら、実際には数十の川があり、そのほとんどが、街を整備するために管の中に閉じ込められた。ここでは、もっとも重要な7つの川を紹介しよう。
モスクワ川はモスクワでもっとも広い川で、街の名を冠している。源流はモスクワ州にあるモジャイスク近くにあり、モスクワを通って、オカ川へと流れ込む。長さは473キロメートルで、そのうち80キロメートル以上がモスクワを流れる。モスクワ市内を流れるモスクワ川には40以上の係留施設がある。
この川は赤の広場を通って流れており、かつてはモスクワ・クレムリン周辺の堀を満たしていた。非常に短い川で、長さは7.5キロしかない。商業地エリアの北部にあるマリイナ・ローシャ地区から始まり、モスクワ・クレムリンの近くのモスクワ川に合流する。
ネグリンナヤ川について重要なことは、19世紀の初頭から、商業地での度重なる洪水を防ぐため、地下の管に収められたことである。ネグリンナヤ川がモスクワ川に流れ込む場所は、クレムリンにもっとも近いボリショイ・モスクヴォレツキー橋から目にすることができる。
ヤウザ川はモスクワ市内を流れるモスクワ川の最大の支流である。総延長は48キロメートル、そのうち27.6キロが街中を流れている。
ヤウザという名前は「繋ぐもの」という意味がある。これは、この川に古代ロシアの河川の交通システムがあり、この川がモスクワからウラジーミルまでを水路で繋いでいたからである。残念ながら、現在、ヤウザはモスクワでもっとも汚染のひどい川で、産業施設が今もこの川に廃物を投棄している。
セトゥン川は、元々の河床を使い、ほとんどの部分が地上を流れるモスクワで唯一の大河である。主要なモスクワ川を含めたモスクワの他の川のように、モスクワの建設作業に際して、管に収められたり、真っ直ぐに直されたりしなかった。長さは38キロメートル。全体がモスクワ市内を流れている。
セトゥン川の岸は古代戦士の墳丘墓に覆われている。川の名前はおそらく、この墳墓にちなんだもので、悲しむ、不平を漏らすという意味の古代ロシア語の動詞「セトヴァッチ」が派生したものだとされている。伝承によれば、人々は失った家族を偲び、この川の岸に来て悲しんだという。
ゴロドニャ川は全長16キロメートルで、モスクワを流れている。モスクワ南部にあり、ツァリツィノ池やボリソヴォ池、その他の小さな水域に水を湛えた。モスクワ市南部の産業地帯を流れるこの川は残念ながらかなり汚染されているため、魚は生息しておらず、人間にとっても中に入るなどとは考えない方がよい。
モスクワ市内を流れる3番目に長い川であるスホドニャ川は、長さ47キロメートルだが、モスクワの北部を流れている距離は5キロメートルしかない。川の名前は、「川を下る(または上る)ために使われたものという意味。というのもこの川はモスクワ川からクリャジマ川までの船の通路として使われていたからである。
モスクワ東部を流れる長さ12.4キロメートルの川。川の名前は、モスクワからウラジーミル、さらにはシベリアに続くエントゥジアストフ街道ハイウェイ(旧ウラジーミルスコエ・ハイウェイ)を交差していることに由来していると思われる。この道は、有罪判決を受けた犯罪者が流刑に送られるときに使われていたもので、犯罪者の家族たちは、モスクワの境界線上にあり、ニシチェンカ川と道路が交差するところの上にあるウラジーミルスコエ・ハイウェイに見送りにきたものだった。そこにはいつも、多くの女の物乞いがいたことから、「女性の物乞い」という川の名前がついた。モスクワでもっとも汚染された川の一つである。
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