5歳のヴァシリーサはきみよりスノボが上手い

instagram.com/vasilisa_board
 冬はアルペン、夏はスケートボード――少女はこのスポーツに熱中し、スピードも擦り傷もへっちゃら。

 「位置について、用意、スタート」とパパが言う。ヴァシリーサはスノーボードで滑りだし、ジャンプ台のほうへと疾走していく。進みながらバックで2回転し、しなやかに着地。どの動きも軽やかだ。「ああ、ヴァーシャ(ヴァシリーサの愛称)」とパパが言う。とりたてて変わったことはないようだ、ヴァシリーサがたったの5歳だということを考慮しなければ。

 エルマコワ夫妻、ナターリヤとアントンは、もうずいぶん前からスノーボードに夢中だが、幼い娘をボードに乗せることは考えていなかった。これは偶然のことだった。「私たちが道具を外していると、娘が私のスノボを見て、その上に立ち、ひとりで下り始めたんです」とナターリヤは話してくれた。彼女とアントンは立ち尽くしたまま、ぽかんと口をあけて見ているだけだったという。ヴァシリーサはそのとき3歳だった。

 両親はまずはじめに娘にアルペンスキーをさせることにした。ヴァシリーサは、スキー板をつけてひと冬ずっと滑り続けたが、その後、パパと一緒に家の近所を散歩していたときに、子どもたちがスケートボードで遊んでいるのを見て、やりたくてたまらなくなった。スケートボードは家族全員分購入し、一緒に練習をはじめた――冬のシーズンに備えて。

 4歳半でヴァシリーサはスノーボードをはじめ、3カ月後にはすでに、スノーボード540°(一回転半)ジャンプに最年少で成功したとしてロシアレコードを記録した。

 ママとパパは娘に一度も強制したことはない。最初はスノーボードを買いたくないと思っていたくらいだ。でもヴァシリーサ自身が誕生日にスノーボードを買ってくれとお願いしてきた。

 「すっかりはまってしまって、ずっと滑っているんです」とナターリヤは言う。ときどき両親は娘に、もう充分でしょう、少し休まない?と尋ねることがある。でも、休まない。ヴァーシャは、休日はいつでも滑りたがり、冬は家族全員を山に呼ぶし、夏はスケートボードで突っ走っている。

 パパのアントンはプロのスケートボーダーだ。彼は、自宅から車で5分のところにあるカント・スポーツ・コンプレックスで娘にトレーニングをしている。ヴァシリーサはそこの公式代表にもなり、そのため彼女には好きなだけ滑ることのできる練習場が与えられている。カントにはトランポリンセンターもある。そこでヴァシリーサは週に一度必ず、ありとあらゆるジャンプや回転の練習をし、それから斜面での練習に移していく。

 スピードも高さもヴァシリーサはへっちゃらだ、落下も同じ、こわくなんかない。夏にスケートボードでスピードを出して滑降する練習をしていたときに2度転倒し、ほおの皮膚がずり剥けた。5分間泣くと、また山の上からの滑降をはじめた。

 ママのナターリヤはエクストリームが好きで、娘が高いジャンプを伴う複雑な技をしているときにも恐怖は感じないと言う。「私自身も大好きですから。それに娘を信じています。私たちはとてもしっかりと準備していますから。私は、ただ驚いて感動しているだけ――まあ、私にはあんなことできないわって」と彼女は言う。

 ヴァシリーサは競技が特に大好き。彼女は全然ナーバスになんかならないし、周りにたくさんの仲間がいて、みんなスノーボードを装着しているのがすごく好きだ。最近ヴァーシャは、クルィロヴイ・アルペンスキースクールで行われたスピードスラロームの試合で勝った。

 「ロシアではまだ、子ども向けのスノーボードの大きなムーブメントが発展していません」とナターリヤは言う。それでも、彼女いわく、良い傾向はあるという。昨年、クルィロヴイ・スクールの競技会に参加したのは7名だったが、今年はすでに50名になっている――全員の両親が幼少期から子どもをボードで滑らせている。

 「ママ、あたしもあんなふうになりたい」と、各種のエクストリームスポーツを集めた世界的な大会エックスゲームズの映像をタブレットで見ながら、ヴァシリーサは言う。エックスゲームズでは、スノーボーダーはトリプルコーク(縦3回転)を成功させなきゃいけない。若きスノーボーダー、ヴァシリーサは、まだこの技ができない。でも、バックサイド720はすでにモノにした。

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