モスクワ地下鉄には260を超える駅があるが、そのうちの29駅が、少なくとも1度は名前を変更された。中でも最高記録を誇るのが、「オホートヌイ・リャド」駅。なんと4回も改称された。
この駅が開業したのは1935年。近くに、かつて狩猟で得られた獲物が売買されていた市場「オホートヌイ・リャド」があったことから、この名称が付けられた(オホートヌイは「オホータ 〈狩猟〉」から来ている)。しかし1955年になり、駅名が「カガノーヴィチ駅」と改められることが発表された。
オホートヌィ・リャド駅(1935年)
Nikolai Kubeev/TASS 高名なソ連の政治家ラーザリ・カガノーヴィチは、スターリンのモスクワ再開発計画と地下鉄の最初の路線の建設を指揮した人物である。1935年から1955年にかけて、モスクワ地下鉄は彼の名を冠していたが、地下鉄がレーニンの名称で呼ばれるようになった後、カガノーヴィチの名はこの駅の名前に残されるだけとなった。
しかし、1957年にはカガノーヴィチはすべての役職から解任され、彼の名を想起させるものはすべて排除された。モスクワ中心部のこの地下鉄駅の名前は数年間、以前の名称に戻されたが、1961年に、「プロスペクト・マルクサ(マルクス大通り)」に改称された。
左:プロスペクト・マルクサ駅(1986年);右:オホートヌィ・リャド駅(現在)
TASS; Public Domainドイツの経済学者の名前を冠した駅名は、ほぼ30年にわたって維持された。しかし、1990年、「オホートヌイ・リャド」という歴史的な名称が復権を果たした。
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