ロシアのレストランで驚くこと4つ

ライフ
マリア・ブニナ
 ロシアのレストランで外国人を驚かせるさまざまなことの理由をレストランビジネスのプロたちに聞いた。

 驚くべきことは4つ以上あるかもしれない。たとえばいくつかのレストランのメニューに載っている料理の写真や自分の声すら聞こえないほど大音量のBGMなど。しかし今回はみなさんがレストランに行く前に知っておいた方がよいものを選んでご紹介することにしよう。

1.テーブルは事前に予約した方がよい

 ロシア人は金曜日または土曜日にレストランで外食することが圧倒的に多いため、眺めの良い席やテラスの良い場所、個室は事前に予約しておいた方がよい。

 「外国人はいわゆる“グル”と呼ばれる騒がしい客がいつも金曜日にやってくることに驚くかもしれません。外国ではどの曜日でも訪れる客の数は一定していて、何曜日でもレストランに行くことができるのです」。こう話すのは展示会や博覧会の企画運営企業「PIR Expo」の創設者であるエレーナ・メルクロワさん。

2.レストランでの外食はちょっとしたお出かけ

 多くのレストラン、とりわけ一定のレベルのお店では、客らは非常にめかしこんでいることが多い。女性は素敵なワンピースを身につけ、宝石を飾り、ハイヒールを履き、もちろんバッチリお化粧している。そして男性もそれに合った格好をしている。ロシアでは今でも、レストランに行くというのはとても重要なイベントなのである。

  「わたしたちのレストラン354(Ruski, Insight, Fresh Air)でも、とても頻繁に重要な出来事やおめでたいイベントが祝われます。プロポーズをしたり、結婚式を開いたり、誕生日を祝ったり、イベントは多岐に渡ります。レストランには条件付きのドレスコードがあります。短パンとビーチサンダルでは来ない方がいいでしょう」。そう話してくれたのは企業グループ354の業務執行取締役のグレプ・マラチさん。

3.高価なワイン

 グラスワインやボトルワインの値段にも驚かされるかもしれない。それが高級レストランでなくても、である。アイルランド出身のトミーは「メイン料理の値段が10ユーロ(およそ1,280円)前後なのに対し、ワインが予想外に高いのです」とコメントする。

  「ロシアでは、店のレベルにかかわらず、ワインはいつでも高価な値段がつけられていました」と指摘するのはワインバーチェーンWine Bazarの創始者エヴゲニア・カチャロワさん。「料金は店のテナント料、人件費、その他の諸経費に左右されます。これは輸入ものに限らず、ロシア産のものも同様です。高価な設備費を回収しようとすると、ロシアの生産者は最初のうち、かなり高い料金を設定しなければならないのです。というのもわたしたちには技術がなく、すべて作り直さなければならないからです。しかしこれは時間とともに解決されるものではあります」。

4.レストランでは男性が支払う

 男性が女性をレストランに招待した場合、女性はおそらく、男性が支払ってくれるものと思うものだ。

 Lumberjack barの店長、パーヴェル・ボフダンチコフさんは「ロシアでは家父長的なステレオタイプが強いため、何も言わなくても、男性が女性を誘った場合は、男性が支払うものとなっているのです」とコメントする。「もちろん、デートでも自分の分は自分で払うという進歩的な女性もいますが、やはり少数だと言えるでしょう」。