「肉の梨」としても知られているホーショールは、シベリア・バイカル湖地方に居住する民族、ブリヤート族の伝統料理である。この美味しいパイは、挽肉とタマネギを詰めた生地を使って、フライパンで黄金色になるまで揚げたもの。
このホーショールの起源は遠い昔に中央アジアの遊牧民族が長旅の朝食として、持ち運びが簡単で腹持ちの良いものを求めたことだと考えられている。彼らは生地で肉を包み、洋梨の形にしてスキレットで揚げることによってこのパイをつくる。モンゴルでは、同じような料理を小さなチェブレキのような三日月の形でつくる。ブリヤート地方ではこれが洋梨形になる。
ブリヤートの文化では、ホーショールは特別な意味を持っており、祭日やお祝いの日に作られることが多い。このパイは太陽を象徴化しており、生命、暖かさ、光の源である太陽を敬うブリヤート族の神話にちなんでいる。ホーショールの洋梨の形は太陽とそこから放たれる光線をあらわしていると言われている。
ブリヤート地方以外のロシアの他の地域でも、1990年代にシベリア先住民族の料理への興味が高まるとホーショールも知られるようになった。今では、多くのレストランのメニューにものるようになり、ロシア中の市場で売られるようになっている。
ホーショールはラム肉とチーズもしくはジャガイモで作られることが一般的だが、牛肉や豚肉を使っても良い。生地は小麦粉、水、塩でつくられ、時にはミルクかサワークリームも加えられ、そうするとより柔らかくなる。
ホーショールをつくるのには、特に、生地を洋梨の形にするにはちょっとしたコツが必要である。揚げる時に生地が破れないようにするために餡は均等に詰めることがとても大事である。ホーショールは伝統的に、スモーキーな香りで風味を高めるためにスキレットを使って直火で焼かれるが、オーブンで焼いても良い。
ホーショールはメイン料理としても、軽食や前菜としても供せられる。サワークリームを添えたり、キュウリ、トマト、ハーブのシンプルなサラダと一緒に出されることもある。
1. 生地から作る。ボウルに小麦粉を入れ、塩、卵、水を加えて手でこねる。
2. 必要に応じて、柔らかくなるまで小麦粉を加える。できたら、ラップに包んで、冷蔵庫にいれ、30分ほど休ませる。
3. フィリングを作る。肉は洗い、ペーパータオルで水分を拭き取り、小さく切る。
4. タマネギを刻む。
5. 大きめのボウルに肉とタマネギを入れ、塩とコショウで味を調えたら、小麦粉を少し入れて、両手でこねる。
6. 生地を取り出し、2~3ミリの厚さになるようのばす。コップを使って、直径10センチくらいの丸型に抜く。
7. 肉を真ん中に置き、端を持ち上げて、隙間ができないよう上で留める。
洋梨のような形にする。
8. 深めのフライパンにひまわり油をたっぷり入れ、熱する。パイを入れ、表面にきれいな焼き色がつくまで揚げる。
ただし、揚げすぎないこと。黄金色になったらすぐに取り出す。
9. 取り出したパイを布ナプキン(またはペーパータオル)の上に置いて、余分な油を落とし、盛り付ける。
10. どうぞ召し上がれ!
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