キノコを使ったロシアの伝統料理5選(レシピ)

Legion Media
 ロシアでは昔から、塩漬けにしたり、焼いたり、乾燥させたりして、キノコがたくさん食されてきた。キノコの正しい調理法とおいしい料理を紹介しよう。

 ロシアの平坦な地形と天候条件がキノコの生育にピッタリなこと、また長期にわたるロシア正教会の精進の時期にもキノコは許されていることから、ロシア料理にはキノコを使ったレシピが数多くある。そんな中からもっともおいしいものを紹介しよう。

1. キノコの塩漬け

 キノコの塩漬けを作るには、新鮮なキノコを選び、均等に塩漬けされるよう、同じ大きさのものを揃えるか、下ごしらえで同じくらいの大きさにカットする。塩漬けに適しているキノコといえば、チチタケ、アカチチタケ、ベニタケ、アンズタケなどである。

 塩漬けの作り方:キノコは丁寧に洗う(冷水に20分ほど浸してもよい)。煮沸消毒したガラス容器に塩一握りを入れたら、最初の段はキノコの傘を下にして入れ、塩を振り、キノコを層にして、塩を入れながら詰めていく。塩の量は、キノコ1キロに対して50g。キノコの層の間に、黒コショウ(粒)、ローリエ、ディル、ニンニクあるいは乾燥クローブを入れてもよい。また防腐剤として西洋ワサビの葉を使う。容器には木の蓋をするか、お皿を乗せて重石をし、冷蔵庫に入れる。5日後、中身をチェックして、余分な水分を捨てる。水分が足りないと感じたら、沸騰したお湯を加える。小さなキノコで1週間、中くらい、大きめのキノコは30〜45日漬ければ出来上がり。

2. キノコのスープ

 キノコは肉や魚の代わりになるため、古い料理本でもキノコを使った菜食スープのレシピがよく出てくる。たとえば、ワルラムのシチー やキノコ入りのホームメイドヌードルなどである。しかしもっとも一般的なのはジャガイモと野菜の入ったクラシカルなキノコのスープ。伝統的には、白キノコを40分から1時間煮て作った透明なブイヨンを使うが、時間がなければブイヨンなしでも作ることができる。

 キノコスープの作り方(8人分):キノコ(500g)は洗って、カットし、茶色く色づくまで植物油で炒め、みじん切りしたタマネギ(1個)を加え、タマネギが柔らかくなるまで炒める。火を弱め、さらに20〜25分蒸し炒めし、最後に塩で味を調える。ジャガイモ(4個)は皮をむいて一口大に切り、ニンジン(1本)は輪切りにする。鍋に水、ジャガイモとニンジンを入れ、ジャガイモが柔らかくなるまで15分ほど煮る。キノコとタマネギ、スパイス(ローリエ、コショウ)を加える。ハーブとサワークリームを添えて出す。

3. ジャガイモとキノコのワレニキ

 ワレニキのフィリングには数え切れないほどのバリエーションがあるが、塩からいものを入れると、味のバランスの良くなる。キノコを入れたワレニキはあっさりしすぎず、塩からくなりすぎない。

 ジャガイモとキノコのワレニキの作り方: 生地を作る。卵(1個)に塩(小さじ1/2)を加えて泡立て、植物油(小さじ1)、水(150ml)を加える。小麦粉(300g)を少量ずつ加えて混ぜ、しっとりするまで10分ほどこねたら、ラップかふきんで覆って、30分ほど室温で休ませる。フィリングを作る。キノコは洗い、小さく切る。マッシュルーム(200g)を使うとよい。みじん切りのタマネギ(1個)と一緒に炒める。ジャガイモ(300g)は茹でて、ピュレーにする。ピュレーとキノコを混ぜ、塩とバター(30g)をお好みで加える。ワレニキを形成するために、生地を少し取り、薄くのばす。コップなどを使って丸く抜き、真ん中にフィリングを置き、端を留める。生地とフィリングがなくなるまでこれを繰り返す。ワレニキができたら、塩を加えたお湯で5分茹でる。ハーブとサワークリームを添えて出す。 

*同様のレシピはこちらからもどうぞ

4. そばの実とキノコのピロシキ

 ピロシキはどんなご馳走のテーブルにも彩りを与えてくれる。また普通の日には、おいしいおやつにもなり、スープと一緒にいただくこともできる。ロシアの修道院には、そばの実とキノコのピロシキのレシピが残っている。ピロシキの生地は、キャベツまたはキュウリを漬けた漬け汁で作る。この漬け汁があれば、イーストがなくても自然発酵するのを助けてくれる。ここではイーストを使った簡単レシピを紹介する。 

 そばの実とキノコのピロシキの作り方:生地を作る。ドライイースト(小さじ大盛り1杯)、砂糖(大さじ1)、ふるった小麦粉(大さじ1+1/2)、沸騰させたぬるま湯(3/4カップ)を混ぜる。暖かい部屋に20分ほど置いておき、泡が出てきたら、塩ひとつまみ、植物油(1/4カップ)を加え、こねる。ラップで覆い、暖かい場所で1時間ほど休ませる。

 フィリングを作る。タマネギはみじん切りにし、フライパンで炒める。キノコ(ナラタケかマッシュルーム)は洗い、細かく刻み、タマネギと一緒に炒める。塩コショウで味を調える。柔らかくなるまで、混ぜながら炒める。そばの実は茹で、キノコと合わせる。

 生地は12等分し、丸くまとめ、ピロシキを形成する(丸くまとめた生地を上から押して平らにし、真ん中にフィリングを置き、端を留める)。焼き色をつけるため、表面に卵黄を塗る。パーチメント紙を敷いた天板に並べ、180℃のオーブンで25〜30分焼く。取り出したら、ふきんを被せて5分ほど置く。

*さまざまなピロシキのレシピはこちらからどうぞ。 

5. キノコのブリヌィ

 ブリヌィ、キノコとタマネギのフィリングは別々に作ることができ、ロシアの焼きブリヌィのレシピを代用してもよい。作り方はほぼオムレツと同じで、フィリング入りのブリヌィよりも早くできる。 

 キノコのブリヌィの作り方:フィリングは、タマネギ(1個)はみじん切りにし、キノコ(300g)と一緒に植物油で炒め、ハーブを加える。生地は卵(2個)を泡立て、牛乳(300ml)、塩、砂糖(それぞれ小さじ1/2)、小麦粉(500g)を加える。泡立てながら、熱湯(100ml)を少量ずつ注ぐ。最後に植物油(大さじ1)を加え、15分休ませる。熱したフライパンにフィリングを少量置き、生地を流し入れ(16枚焼ける分量にすること)、両面それぞれ1〜2分焼く。生地がなくなるまで繰り返す。サワークリームとハーブを添えていただく。

*同様のレシピはこちらからもどうぞ。 

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