「極東に教育・学術拠点を創出」

ウラジーミル・プーチン大統領=

ウラジーミル・プーチン大統領=

ミハイル・メツェル撮影/タス・ホストフォトエージェンシー撮影
 2015年、極東は、1兆ルーブル(約1兆6千億円)を超える投資を誘致し、同地域では、300以上の投資プロジェクトがスタートした。

 ロシア当局は、アジア諸国に蓄積された経験の受け皿となる国際的な教育・学術拠点をウラジオストクに創出する。ウラジーミル・プーチン大統領は、東方経済フォーラム(EEF)の本会議での演説で「私たちは、その創出へアジアのパートナーを招いている」と述べた。

 大統領は、ロシア当局は、テクノロジーの発展およびスタートアップの支援の場を極東に創出する予定である、と述べるとともに、ロシア当局は、外国の教師および学生がロシアへ来ることを望んでおり、すでに、現在、フォーラムが開かれている極東連邦大学では、2500人の外国の学生が学んでいる、と語った。

 

発展の前提

 プーチン大統領は、「私たちは、極東を、わが国の発展の拠点の一つ、強力かつ先進的な拠点にするという、野心的でスケールの大きな課題を自らに掲げた。これは、私たちの最も重要な国家的優先事項の一つであり、私たちは、希望を抱かせる成果を目にしている」と述べた。同氏によれば、工業生産の増加率は、国全体では0,3%にすぎないが、極東では5%を上回っている。

 2015年、極東は、1兆ルーブル(約1兆6千億円)を超える投資を誘致し、同地域では、300以上の投資プロジェクトがスタートしたが、大統領は、これは、ビジネス支援のメカニズムが好評であることを物語っている、と考えている。大統領によれば、好ましい人口動態学的な推移も、それを示しており、極東では、この四半世紀で初めて人口が増加しはじめ、3年連続で出生率が死亡率を上回っている。また、2016年の上半期、極東からの人口流失は、7分の2に減少した。プーチン大統領は、「私たちは、この傾向を維持し不可逆的なものにしなくてはならない」と述べた。

 大統領によれば、ロシア当局は、外国人投資家を極東へ誘致するための最大限好ましい条件を創出した。とくに、ウラジオストク自由港の制度がすでにスタートし、優先的社会経済発展区域(TOR)すなわち課税や関税が軽減されるゾーンも始動している。プーチン氏は、ロシア政府は、近く外国人を対象とした査証発給制度を簡素化し電子ヴィザの発給を開始する予定である、と語った。

 また、大統領は、極東に導入された新たな投資システム「ヴォスホード」は、国際的な投資家に対してロシア企業の株式および債権へのアクセスを拓くものである、とし、「食品工業における輸出向けプロジェクトを支援する露中農業基金が、協力の好い例となった」と述べる。大統領によれば、その結果、極東は、アジア太平洋地域諸国向けのエコロジカルな食品の供給源となりうる。

 

ユーラシアのパートナーシップ

 プーチン大統領によれば、極東は地域統合プロセスの中心にあるため、協力や協働へ開かれているという点が、極東発展の戦略の基礎となっている。とくに、2016年10月には、ユーラシア経済連合(EAEU)と中国の間の自由貿易ゾーン創設に関する「5+1」のフォーマットの交渉が始まり、プーチン大統領は、結果として特別のユーラシアのパートナーシップの形成について語ることができる、と考えている。

 さらに、大統領は、「現在、私たちは、EAEUの他の加盟国とともに統合推進のための幅広い提案を作成している。それらは、関税障壁の撤廃や商品流通の支援や知的所有権の保護に関するものである」と語った。大統領によれば、ロシア当局には、そうした協力を希望するすべての者と解決を模索する用意がある。とくに、ロシア当局は、ロシア、中国、韓国、モンゴルを結ぶエネルギー・スーパーリング創出の構想を支持している。プーチン氏は、「そのため、私たちは、そうしたリングの創出に関する政府間作業グループの設置を提案している」と述べた。

 プーチン大統領のデータによれば、東方経済フォーラムには、世界35ヶ国の3000人以上が参加し、大統領は、「私たちは、極東全般そして極東における有望なプロジェクトの実現に対するアジアおよびロシア国内の他の地域の関心の高まりを目にしている」と述べた。