中国はロスネフチ経営権を得るか

中国石油天然気集団の作業員=

中国石油天然気集団の作業員=

ロイター通信
 中国の中国石油天然気集団公司(CNPC)は、ロシア最大手の石油会社「ロスネフチ」の株を購入する用意があるが、同社の経営権を求めている。専門家らによれば、状況は、どこかミハイル・ホドルコフスキー氏がアメリカの投資家らへの石油資産の譲渡を試みたユコス事件を彷彿させる。

 中国の中国石油天然気集団公司(CNPC)は、ロシア最大の国営石油会社「ロスネフチ」の株の購入を望んでいるが、それは、同社の経営に参加できる場合に限られる。これについては、CNPCの王宣林会長が、ロシアの国営テレビ局「ロシア24」へのインタビューで語った。

 同トップ・マネージャーによれば、参加のフォーマットと権限の幅は、「ロスネフチ」の提案に反映され、中国側は、その提案を詳細に検討する。

 先に、「ロスネフチ」は、主として中国側の頑なな姿勢ゆえに、インドのパートナーとの協力を選択した。とくに、2016年3月、同社は、東シベリアの大産地の権益をインドの石油天然ガス公社(ONGC)へ売却した。

 

経営権争い

 ロシア政府は、2016年末までに「ロスネフチ」の19,5%を民営化する計画である。2016年6月初め、モスクワの取引所におけるこの株の価格は、6640億ルーブル(約100億ドル≒約1兆900億円)であった。2016年5月末、アレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は、この取引なしには3%の赤字を見込んだ今年の連邦予算を執行できない、と述べた。

 政府は、当初から単一のバイヤーへこの株をそっくり売却したい考えであり、中国のCNPCが、まさにそうした戦略的パートナーとなりえる。ロシアの会社の株式公開(IPO)の過程で、2006年の夏、中国の会社は、すでに「ロスネフチ」の株の0,62%を5億ドル(約545億円)で購入している。

 MFX ブローカーの上級分析評論員ロベルト・ノヴァク氏は、経営への参加とは取締役会への参加にほかならない、と説明する。同氏によれば、中国側は、「ロスネフチ」の取締役会で2議席を得られる。「ロスネフチ」の取締役会は、9人で構成されており、そのうちの2議席は、同社の株の19,75%を所有するイギリスのBPが占めている。2013年以来、「ロスネフチ」の取締役会は、BPの代表の了承なしに一部の枢要な問題を株主総会に諮ることができていない。つまり、戦略的投資家への同社の株の売却や取締役会における議席の分配についても、イギリスの共同所有者の同意が必要となる。とはいえ、その場合でも、取締役会の議席は、外国の投資家らが4つ、ロシアには5つ残る。

 会社グループ「フィナム」のアナリスト、アレクセイ・カラチョフ氏は、「中国側が、その投資の可能性を考慮してより大幅な参加を求める場合には、その経営参加権の拡大には、中国側との特別の株主協定の締結が必要となる」と語る。同氏によれば、そうしたことは、法的には可能であるが、「ロスネフチ」が戦略的国営会社の特別リストに含まれていることを、忘れてはならない。

 

「ユコス」との比較

 IFCフィナンシャル・センター副代表のスタニスラフ・ヴェルネル氏は、「ロスネフチ」をめぐる状況は、どこか2003年の出来事を想い起させる、と語る。「ロスネフチ」の採掘資産の根幹を成しているのは、石油会社「ユコス」の元の機構であり、「ユコス」の元の所有者らは、現在、同社を意図的に倒産させたとしてロシアを非難している。

 2003年、「ユコス」は、アメリカのシェブロンおよびエクソン・モービルへの株(ブロッキング・ストック・シェア)の売却に関する交渉を行っていたが、外国の投資家への石油資産の売却は、国家レベルの抵抗に遭った。その後、「ユコス」の所有者らは、税法違反の罪に問われ、会社は、廃止された。その結果、同社の主な所有者であるミハイル・ホドルコフスキー氏は、およそ10年にわたり収監された。

 アレクセイ・カラチョフ氏は、「『ユコス』のプロジェクトと今の取引は、似て非なるものである。そのプロジェクトが、世界最大の石油会社の誕生をもたらすはずであったのに対し、この取引は、予算が追加の資金を得ようとしているにすぎない」と、より慎重な見方をしており、状況も違えば、目的も異なる、と付言する。