「ナチュラ・シベリカ(Natura Siberica)」の青山店=
報道写真「ここ2年で多くのことが変わり、ロシアの国内市場は経済の状況を受けて縮小した。そのため、輸出しようという企業が増えている」と、貿易振興・国際経済関係会議のマクシム・チェレシネフ議長は話す。
ユーロおよび米ドルに対するルーブル安で、ロシアで生産される最終製品が海外品と比べてかなり割安になっているという。「品目は関係ない。肉・乳製品であろうと、医薬品、化粧品、家庭用化学薬品であろうと」と話すのは、投資会社「OKブローカー」のシニアアナリスト、ロマン・トカチュク氏。
「アジア市場の需要の特徴は、日焼け止め効果の強いもの、美白などが好まれること。アジア市場向けの特別な製品も開発する予定」とゼレニコワ部長。
ナチュラ・シベリカの化粧品の売りは、シベリアの植物を原料とし、海外市場に類似品がないところ。だが「ロシアのエキゾチック」は外国の消費者にとって未体験ゾーンだ。「独自性が消費者の関心を呼ぶが、シベリアの化粧品というのが新しすぎて抵抗を感じる消費者もいる」とゼレニコワ部長。
多くの国、具体的にはフランス、クロアチア、スロバキア、イギリス、オーストラリアなどで、提携店を通じて販売している。直営店は香港、日本、デンマーク、スペインの4店舗のみ。ゼレニコワ部長によると、外国で1店舗オープンするのに30万ユーロ(約3700万円)ほどかかるという。そして回収期間は国内より長くなる。日本の店は3年でまだ回収できておらず、新しいデンマーク、スペインの店も2~3年以上かかるという。
IT企業の進出というとアメリカが定番だが、ロシアのIT企業はそれ以外にも、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5ヶ国)圏に進出している。例えば、ブラジルだ。
「ブラジル人は何かあるとすぐにビーチに行く。国民の気質。これを理解したら、何で当社の最初の進出が失敗したかわかった」と、ロシアのIT企業「ユコズ(UCOZ)」の商品「Uキット(Ukit)」担当責任者であるイリーナ・チェレパノワ氏は話した。
ユコズは3年前、複雑なサイト・ビルダをブラジル市場に投入した。「この商品は『オタク』向けだったと言える。いじくり回す必要があったから。それでブラジル人の心には響かなかった」とチェレパノワ担当責任者。そのため、簡単なビジネスサイト・ビルダをこの市場で提案することにした。最初の2週間は無料で使うことができ、その後支払いを行う必要がある。支払いを行わないとサイトが存在しなくなる。ブラジル市場を選んだのは、2つの理由から。1つ目は、サイト・ビルダでブラジル品がなかったため、2つ目は他の外国企業の競争が激しくなかったため。ロシアのIT企業はすでに10年以上、海外市場にサービスや商品を提供しており、現地の企業や他の外国の企業とうまく競争できている。「(ロシアの)主な優位性は、強力なエンジニアリング・数学の学校があることと専門家の才能」と、事業用携帯アプリ開発企業「レッドマッドロボット」のクリエイティブ・ディレクター、マクシム・デシャトィフ氏は話す。チェレパノワ氏によると、ロシアのIT企業が海外市場に進出するのは、国内需要が落ち込んだことへの対応というだけでなく、発展のための資源が企業にあるためだという。
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