露産油企業が耐え得る石油価格は

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 イランの市場への参入に伴って、石油の価格は、1バレル30ドルを下回った。しかし、ロシアの石油会社は、15ドルまでは大丈夫と静観している。

 2016年の初めから、石油の値は、下がり続けてきた。UBSグループのアナリストらは、そうした価格は今年上半期を通して維持されると予想し、イギリスのスタンダード・チャータード銀行のアナリストらは、価格は1バレル10ドルまで下がる可能性があると考えている。

 ロシアのエネルギー省は、12月、1バレル30ドル以下でのストレス・テストを実施するよう石油大手に要請した。今のところ、それらの結果は公表されていないが、同部門の要人らの発言やアナリストらの評価によると、彼らは、1バレル30ドルの水準を危機的なものとは見なしておらず、もっと低い価格にも耐えられる。

 

採算ライン

 「ロスネフチ」のミハイル・レオンチエフ広報担当は、同社には1バレル30ドルを想定したストレス・シナリオがあり、同社はそうした価格であれ大陸棚プロジェクトの実現さえも継続する、と述べたものの、シナリオの詳細は明らかにしなかった。「ルクオイル」、「ガスプロム・ネフチ」、「スルグトネフチガス」、その他の石油大手の代表らは、自社のストレス・テストの結果をコメントしなかった。「ロスネフチ」の消息筋は、ブレント原油1バレル25ドル以上であれば「極めて効率的なロシアの会社」には投資および業務のプランを変更する必要はない、とRBCデイリー紙に語った。

 「ロスネフチ」のイーゴリ・セーチン会長は、2015年の秋、同社の産油コストは約4ドル(輸送費と税金を除いて)であり、同社は「今後も市場のシェア拡大を図る」、と述べた。

 「ルクオイル」の消息筋は、同社は1バレル30ドルでのストレス・テストにおいて20%の投資の減少を見込んでいる、とRBCデイリー紙に語った(「ルクオイル」の代表はこの情報をコメントしていない)。「ルクオイル」のヴァギト・アレクペロフ社長は、9月のヴェドモスチ紙へのインタビューで、同社にとっての採算ラインは1バレル24ドルである、と語った。「ルクオイル」の資料では、ルーブルの切り下げは国内での採取に対する「ルクオイル」の平均費用(アヴェレージ・コスト)を9ヶ月間で35%低減させ1バレル3,68ドルまで低減させた(輸送費と税金を除いて)、と述べられている。アレクペロフ氏は、年末の記者会見で、同社はかつて石油価格が1バレル9~12ドルの際にも持ちこたえ社員に給与を支払うことができた、と述べたものの、今そうした水準まで値が下がれば「ゼロ投資」や産油量の減少がもたらされる、と警告した。

 「ガスプロム・ネフチ」のアレクサンドル・デュコフ社長は、12月末のテレビ局「ロシア24」へのインタビューで、大陸棚の産地プリラズロムノエでは1バレル25ドルでも、同社全体では1バレル18~20ドルでも、採算がとれる、と語った。もっとも、同氏は、産油コストを「ロスネフチ」の会長よりも高く評価し、「既存の産地について述べるならば、産油コストは1バレル12~15ドルである」と述べた(デュコフ氏はそれが税金と輸送費を含めたものであるかどうかは明らかにしなかった)。

 

石油収入なしの予算

 バンクオブアメリカ・メリルリンチのアナリストらは、石油に続いて値を下げているルーブルの相場や柔軟な税率のおかげでロシアの会社は石油価格の下落に耐えうる、と考えている。しかし、15ドルに達した場合には予算収入は一桁減少し、それ以下の価格だと有用鉱物採取税および輸出税の税率は、自動的にゼロに設定される。

 有用鉱物採取税および輸出税の税率がゼロに設定される場合には、予算収入の総額は、ルーブルでは半減し、外貨ではそれ以下となる。国家はそれを許すことはできない、つまり、1バレル15ドルでは企業の税負担が何らかの形で増し、そうなると、石油会社にとっての採算ラインも高くなる。

 

元記事(露語)