対露制裁の影響はGDP -0.5%

イリヤ・ピータレフ撮影/ロシア通信
 ウクライナ情勢を受けて発動された対ロシア経済制裁がロシア経済に与えた影響は、GDP0.5~0.6%減にとどまった。ロシアの専門家によると、国の経済に何よりも影響をおよぼすのは、制裁よりも、原油価格だという。原油安はルーブル安を招き、さらに企業や個人の借り入れの利息を増大させる。

 不況におよぼした影響は、経済制裁でGDP0.5~0.6%減。残りは記録的な原油安であった。ロシア中央銀行のアンドレイ・シニャコフ氏、セルゲイ・セレズニョフ氏、国際通貨基金(IMF)のアグスティン・ロイトマン氏が調査でこのような結論を出したと、ロシアの経済紙「コメルサント」は伝えている。公式の情報によると、ロシアの今年1~7月のGDPは、昨年同期比で3.4%減。

 ロシア国立研究大学「高等経済学院」インフレーション・経済成長研究所のウラジーミル・ベッソノフ所長も、制裁と原油安の影響について同様の評価をしている。「このような評価の精度は完全ではありえないが、それでも、ロシアのGDPマイナスは制裁よりも原油などエネルギーの価格の変動と関連していると概して言うことができる」

 

GDP降下の時期

 ベッソノフ所長によると、ロシア経済が下降に向かった時期がこれを証明しているという。GDPの減少が始まったのは制裁が発動された1年前ではなく、原油価格が下落した今年初め。「ロシアの産業におよぼした制裁の影響は分野によって異なる。一部では輸入代替(国産化)がうまくいった。とはいえ経済に影響をおよぼしているのは主要金利であり、これに関連する国内のローンの利息の高さは、二次産業を特に苦しめている」とベッソノフ所長。中銀は昨年12月、金利を17%へ急激に引き上げた(中銀の金利に、国内のあらゆる金融機関の利率は左右される)。その後、段階的に10.5%まで引き下げている。

 今回の調査は、2014年第3四半期に経済制裁が発動され、1バレルが110ドルから50~55ドルまで下落した後のGDP動態モデルを示している。モデルはシカゴ学派の創始者の一人であるアーノルド・ハーバーガー氏、およびジョンズ・ホプキンス大学のカルロス・ウェー氏の研究にもとづいたものである。今回の調査では、今後5年間、海外市場の資本の利用が完全に不可能になり、それによって2019年までに民間の対外債務がゼロになるという極端な仮定が行われている。また、ロシア経済は2017年までに、年1.5%の成長に戻ると、計算されている。

 

現状で有利なのはどこか

 会計事務所「フィンエクスペルティザ」評価部のアレクセイ・バスカコフ部長によると、現状は外貨収入を得ている資源輸出企業にとって有利だが、国内市場の分野の多くにとって、やはり不利だという。「当社は経済のほぼあらゆる分野と活動しているが、国営銀行から支援を受けている輸入代替(国産化)プロジェクト以外に、著しい成長分野というものは見当たらない」とバスカコフ部長。

 ロシアの投資会社「フリーダム・ファイナンス」ロシア株式市場運用管理責任者のゲオルギー・ヴァシチェンコ氏は、原油安を受けて、北極圏の大陸棚の鉱床を開発するのが妥当ではなくなったと話す。したがって、制裁対象となった資源開発設備の輸入にコストをかける意味がなくなったという。「主な景気後退の要因は、ルーブル安によるインフレーション。ルーブル安は、原油安および中銀がルーブル買い支えを止めたことで起きている」とヴァシチェンコ氏。

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