職場のパーティーにも影響する経済危機

GettyImages/Fotobank撮影

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今年の新年会では赤キャビアや生きたクマが登場する機会はないだろう。特に経済制裁の影響を受けているロシア企業は、会社主催のパーティーをキャンセルするか、お金を節約する方法を模索している。今年の休暇の予算は40%近くも削減された。

 経済危機によりロシア企業は、従業員の新年会をキャンセルするというこれまでに前例のない対策を余儀なくされている。企業は財布のひもを引き締めたが、2008年の経済危機の時であっても、従業員の新年祝賀会はさすがに催した。しかし今年、一部の企業は年末年始のパーティーを完全にキャンセルしてしまった。

 「今年新年会を催さない決定を下した顧客の割合はせいぜい2%で、あまり高くはありません。しかし、それは私たちの業界では全く考えられないことです。このようなことをこれまでに経験したことがありません」と、イベント会社De’MonAngelの共同創業者であるダリア・マシーナ氏は述べた。

過去の豪奢

2008年の金融危機前後や景気回復後に、企業はたくさんのイクラとキャビアが出される豪華な宴会で招待客を驚かせたり、サーカスショー、空気注入式小型飛行船、3D写真、スケートリンクや干し草の山の上でのパーティーなどでオリジナル性を発揮した。

モスクワを拠点とするイベント会社3社は、これまでで最も記憶に残る休日のパーティーをロシアNOWに明かした。彼らによれば、あるクライアントは、干し草置き場でパーティーを催したかったので、田舎の音楽祭の雰囲気を醸し出すために梱状にした干し草を購入して、模造の炎を作ったという。

別の会社はジプシーをテーマにした休日パーティーを企画したが、これには実際のジプシーの野営地、小熊やガチョウが使われた。オフィスパーティーが開催されたビジネスセンターの入口の警備員は、パフォーマーや動物たちが会場に入るのを拒否したという!

さらに別のクライアントは、新年祝賀の行事にゾウを連れてきたが、これには最初の1時間に7,400ドルがかかり、その後も1時間当たり6 ,100ドルの費用がかかったという。

 大手国営銀行さえもが新年の企画を見送りにした。アートグループALICESHOW代表のアリサ・スメンコーワ氏は、かつてエンターテイメントのための出費を惜しまなかった、ロシアのトップ10に数えられるような銀行(VTBなど)も、完全に今年の新年パーティーを断念したことを明かした。 

 政府事業への入札が発表されるウェブサイトのzakupki.gov.ruによると、今年、組織主催のパーティーを手配した国有企業は、ごく少数の例外を除いて全くないという。例えば、ロシア最大手の銀行であるズベルバンクは、ロシアの有名人が登場した昨年の新年祝賀行事に1,300万ルーブル(2013年12月の為替レートで39万4,000ドルで、1ドルは約119円)という大金をはたいたが、今年は支出を控えている。同行は昨年、従業員の子ども向けの休日行事に別途2,000万ルーブル(606,000ドル)を費やした。しかし今年、ズベルバンクは、子ども向け休日行事の予算を半分に削減することを決定した。大人向けの休日予算がどうなるかは、未だに謎に包まれている。

 コストを削減するもう一つの方法は、従業員に経費の一部を負担させるというものだ。今年は企業の約3%がその手段に頼っており、その数は増加の一途をたどっている。これは、イベント市場の関係者によっても確認されている。雇用主は予算の50~70%を負担するが、残りは従業員がカバーするというものだ。

 

格下げして費用を節約

 社員が自らの固定資本である雇用者だが、経費の削減を徹底すると同時に、危機における従業員の忠誠心を勝ち取らなければならない。今年の休日の予算は、イベント会社によると、2~4割縮小している。「彼らはレストランの格や招待するスターの格といったステータスを変えることで経費を節約しています」と、広報会社「レプターツィヤ(評判)」を経営するナタリア・ススロワ氏が言う。

 豪華な宴会は、飾り気のないビュッフェテーブルに置き換えられている。同じことが新年の行事プログラムについても言える。エンターテイメント市場関係者によると、チームビルディングの要素を持つ法人向けパーティーの需要が成長している。「例えば、マスタークラスという形式の食事型法人パーティー、知的ゲームやクイズなどのインタラクティブ形式の人気が高まっています」と、この専門家は指摘した。ある法人パーティーでは馬が用いられ、扱いにくい同僚と協働することをシミュレートする形で従業員が乗馬を学んだ。

 「ロシアのクライアントは、非常に限られた予算で、より実践的な課題に直面しています」とイベント会社REDレパブリック総合代表者のニコライ・アノーヒン氏は語った。

最近のトレンドでは、バーチャルリアリティグラス、動画投影や、30センチから2.5メートルの間のどんな高さでも測定できるロボットといった今シーズンの主要ヒット製品を伴う、テクノロジーを使った各種エンターテイメントに関心が寄せられている。

 「これらはミニチュア型のラジコンロボットで、1セット(会場あたり2〜6台のロボットから)を一晩2〜3万ルーブル(500〜700ドル)でレンタルすることができます」とアノーヒン氏は語った。法人パーティーの主催者なら、より大きなモデル(2〜2.5メートル)で、踊ったり、質問に答えたり、その他のタスクをこなすことができるロボットを使ったリアルなショーを企画することができる。法人に対する請求額は、ロボット1台あたり約150,000〜200,000ルーブル(3,000~4000ドル)になる。

 場合によっては、以前と同じように大がかりな祝日パーティーを主催する方を好む企業もある。今年、外国企業は数千もの花を購入し、特別なガラス製マーキーを設計したが、これはその都市まで何千キロも搬送されなければならなかった。