ミハイル・ポチューエフ撮影/タス通信
ウクライナ国内では、武力紛争により石炭の採掘が激減した。150ある炭鉱のうちはドンバスに集中しているが、採掘が行われているのは、そのうちの28にすぎず、すでに採掘された石炭は、ほとんどドネツィク(ドネツク)人民共和国に留まっている。
ロシアは、今冬、ウクライナにおける暖房と電力の主な保証となりうる。すべての点から推して、ウクライナは、ガスのほか、隣国からの石炭と電力の購入を余儀なくされる。ウクライナのユーリイ・プロダン・エネルギー相(当時)は、11月12日、「現在の石炭の備蓄ではウクライナは冬場を乗り切れない」と声明した。
近年、ウクライナは、可能なすべてをガスから石炭へ移行させようとしているため、石炭不足は、先ず第一に電力不足を招くおそれがある。
ウクライナはどこから石炭を購入しえたか?
ウクライナ政府は、石炭の供給に関してポーランドとの合意を目指していたが、交渉は、成果なしに終わった。
専門家らによれば、1トンあたり70ドルで購入できるニュージーランドやオーストラリアから石炭を購入する案も検討されていたが、輸送費(1トンあたり30~50ドル)がネックとなった。また、米国の石炭は、1トンあたり130ドルと高額すぎて購入できなかった。
9月に締結された南アフリカのスティール・モント・トレーディング社とのほぼ100万トンの石炭の供給(1トンあたり86ドル)に関する協定は、供給側の発意により11月に破綻した。原因の一つは、ウクライナ側による購入代金の一部の未払いであるが、双方は、負債額を公表していない。
南アフリカの石炭は、最も高い石炭の一つで、ウクライナは、1トンあたり86ドルを支払うことになっていたが、ロシアは、それを80ドルで販売しており、ドンバスは、53ドルで販売していた。
ウクライナのユーリイ・プロダン・エネルギー相(当時)は、現在、考えられる事実上唯一の供給国はロシアである、とし、「ウクライナにはロシアの供給者に働きかけてそこから石炭を購入するほか打つ手がない」と述べた。
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