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花の大展覧会「フラワーズ・エキスポ」に日本が初参加
日本代表団は今年、モスクワ郊外の国際展覧センター「クロッカス・エキスポ」で行われる花の大展覧会「フラワーズ・エキスポ」に、初めて参加。愛知豊明花き株式会社、日本植物輸出協議会、トヤマ・カキョ・セイビ、ニイ・プラント・バイオ、島根県庁、ジャパン・ホート・ビジネス株式会社などが、広い展覧センターの一角に出展した。
日本農林水産省が策定した花き輸出戦略で、ロシアが優先的な輸出国と定められたことから、このような活動が行われるようになった。戦略の目的は、2020年までに対象品目の輸出額を150億円まで増やすこと。
日本貿易振興機構(ジェトロ)モスクワ事務所の島田憲成氏は、ロシアNOWの取材に対し、こう話した。「この展覧会への参加目的は、ロシア、ロシア市場で販売されていない日本産花きの参入拡大」
愛知豊明花き、日本植物輸出協議会は、岩手県安代地区で栽培されたトルコキキョウ、リンドウ、高知県のグロリオーサを、ニイ・プラント・バイオは複数種のランを、株式会社ミヨシはトルコキキョウ、ラナンキュラス、バラ、チューリップを、島根県庁は直径30センチメートル以上の大きさになる花の王と呼ばれるボタンを、ジャパン・ホート・ビジネスは鉢植え、盆栽、園芸植物を、それぞれ紹介した。
「ロシアには花を贈るという優れた伝統がある。また、ロシアの生花市場はさまざまな輸入品に頼っているため、外国の栽培業者にとって魅力的」と島田氏。
ロシアの生花市場の9割が輸入品
ロシアの生花市場の規模は13~15億ドル(約1300~1500億円)で、うち12億ドル(約1200億円)がモスクワの市場。またロシアの生花市場の9割が輸入品。大部分を占めるオランダは、自国の栽培業者だけでなく、ヨーロッパの輸送ハブ(拠点)として、他の国の栽培業者の生花も輸出している。ここで、エクアドルなどの中南米諸国の生花が、選別、発送され、ロシアにも送られる。
ロシアの販売にはシーズン性がある。販売が急増するのは2月(14日のバレンタイン)、3月(8日の国際婦人デー)、12月(新年)。また8月末から9月(新学年開始)、10月(5日の教師の日)。販売が急減するのは夏。多くのロシア人がダーチャ(別荘)で過ごし、庭で花を育てるため。
もちろん、シーズン外でも一定の需要はある。男女の出会いはいつでもあるし、花は潜在的な彼女への一般的な贈り物と考えられているためだ。それでもピークに比べると、シーズン外の需要はさみしい。市場が輸入に依存し、シーズンによって上下するため、価格はかなり高い。
日本の技術で栽培された大きなボタンが大人気
最大市場のモスクワが日本の業者にとって魅力的だと、島田氏は話す。「輸出の際に重要となってくるのは、正しく調整された物流。残念ながら、日本企業にとっては今のところ、この部分が未解決であり、今後の取り組みが必要」
島田氏によると、盆栽などのロシアにはない花や植物への関心が高く、今回の展覧会では、日本の技術で栽培された大きなボタンが大人気だったという。
日本の会社は今のところ、現地生産は考えておらず、ロシア市場への商品の輸出のみに関心を抱いているようだ。市場への進出にかかる投資額は今のところ不明。「今回の展覧会の結果は、日本の会社の進出決定に寄与すると考えている」と島田氏。
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