タス通信
日本の自動車ブランドは8月、ロシア市場でその地位を確固たるものとした。販売台数において、トヨタと日産は10位以内、三菱とマツダは20位以内、レクサス、ホンダ、スズキは30位以内に入った。トヨタは5位から4位に浮上。ただし、トヨタの8月の販売は前月比8%減だった。
業界全体の落ち込みを尻目に
今年初めから8月までの販売は1%の微増にすぎないが、業界全体の同じ時期の販売が12.1%減だったため、市場で追い上げをかけるには十分であった。「8月はロシアの自動車販売において、もっとも困難な月の一つだった。業界で驚きをもって受け止められるということはなかっただろうが。最近発表された国の廃車・下取りプログラムは、市場の落ち込みを止めるかもしれないという希望を与えた」と、欧州事業協会自動車生産者委員会のイェルク・シュライバー委員長は市況について説明した。
ロシアの大手調査会社「自動車統計」分析部のアンドレイ・トプトゥン部長によると、ロシアの自動車市場落ち込みの主な原因は、国民が将来に対する確信を持っていないことにあるという。国民は高額な買い物をすることに慎重になっている。
トヨタは人気車種をお手頃価格で現地生産
トヨタの安定した販売には、ロシアで自動車を組み立てていることが大きく寄与している。また、マーケティングの影響もある。例えば、「カローラ」はお手頃価格の最適なオプションをロシア市場に提案している。近い将来、ロシアで人気の高いSUV「RAV4」の比較的安いモデルの販売も始める。このようにして、ロシアのより若い世代の心をつかもうとしている。
ロシアの現地法人、有限責任会社「トヨタ・モーター・マニュファクチュアリング・ロシア」によると、今年の販売予定台数は15万5000台。主な車種はビジネス・セダン「カムリ」。最近行われた「モスクワ国際モーターショー2014」には、カムリの最新モデルやSUVなどが出展された。カムリの最新モデルの生産が始まるのは11月。販売開始は12月。
日産は8ヶ月間の販売台数で18%増
日産もロシアの現状において好調な日系メーカー。8ヶ月間の販売台数では18%増で5位に立った。トヨタは6位。製品ラインをほぼ完全に新しくしたことが大きく寄与した。「今年は9種類の新しいモデルがある。パトロール、GTR、新しいキャシュカイをすでに販売しており、またティアナ、テラノなど、ヨーロッパにはない、ロシアおよび周辺諸国向けの特別なモデルも販売している。モスクワ国際モーターショーにはセントラとパスファインダーを出展した。これらの自動車すべてをロシアで生産している」と、ロシア日産ダットサンのロマン・スコリスキー広報担当は説明した。
日産は現在、サンクトペテルブルク、トリヤッチ、イジェフスク、モスクワに4ヶ所の生産拠点を構えている。「ロシアにおける日産の重要な目標の一つは、現地生産化の拡大。2016年までにロシアで販売する自動車の90%をここで生産したいと考えている」
市場の問題は日産にも影響がおよんだ。4月からサンクトペテルブルクの工場の生産体制は3シフト制から2シフト制に変わっている。ただし、工場の生産能力は2倍に拡大し、生産モデルは3モデルから5モデルに増えている。現在2000人いる従業員の数を増やす計画も立てている。
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