日本とロシア極東の協力

ロシア連邦農業省のイリヤ・シェスタコフはロシア産穀物の輸出を含む、日本との貿易拡大への期待、投資受け入れおよび日本のパートナーとのプロジェクト実現への用意を表明した。=ロイター通信撮影

ロシア連邦農業省のイリヤ・シェスタコフはロシア産穀物の輸出を含む、日本との貿易拡大への期待、投資受け入れおよび日本のパートナーとのプロジェクト実現への用意を表明した。=ロイター通信撮影

第2回日本・ロシアフォーラムの一環として、ロシア極東の発展と日本との協力をテーマとした会議が行われた。 

 ロシアの資源基地の80%が位置する極東地域には、国の人口の7分の1ほどしか暮らしていない。発展のために外国の協力を得ることも必要となってくるが、日本は重要なパートナーの一国である。ロシア下院(国家会議)のボリス・レズニク議員は、両国の関係を「優しい関係」と表現した。

 

鳥取県とロシア

 日本側の最初のパネリストは平井伸治鳥取県知事。冒頭で「極東はモスクワから遠いが、日本には近い。とても重要な地域」と述べた。日本で唯一の定期ウラジオストク航路がある鳥取県とロシアの密接な関係について説明しながら、シベリア鉄道での貨物輸送が両国にとって有利であると述べた。日本の製品は現在、ロシアに海上輸送されているが、アジアを大回りしている。平井知事は、鳥取県が属する関西広域連合のGDPが、韓国のGDPに匹敵すると説明し、魅力をアピール。またロシアへ輸出されている製品とその拡大の可能性、ロシアとの歴史的近さについても話した。

 

農業分野での協力

 次のパネリストはロシア連邦農業省のイリヤ・シェスタコフ次官。ロシア産穀物の輸出を含む、日本との貿易拡大への期待、投資受け入れおよび日本のパートナーとのプロジェクト実現への用意を表明した。極東の農業分野には大きな展望があり、まだ開始されて間もないものの、多くのプロジェクトがあると説明した。

 続いて篠田昭新潟市長が、農業分野での協力の展望について話した。日本は環境に優しい肥料をロシアに輸出することができるという。篠田市長はまた、ウラジオストクと新潟の間のガスパイプライン敷設案など、エネルギー分野での協力の可能性についても触れた。

 

極東の経済特区とエネルギー協力

 公開株式会社「経済特区」投資家担当部のイーゴリ・マルチェフ部長は、沿海地方に創設される新しい経済特区について話した。入居企業は自動車メーカー「マツダ」。マルチェフ部長はこのような協力に大きな将来性があること、さまざまな日系企業とのプロジェクトに関心を持っていることなどを話した。

 

 2012年アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議向けにガスタービン発電設備と付帯設備をウラジオストクに供給した「川崎重工業」の三浦良三氏は、同社がコージェネレーション設備の開発を積極的に進めていると話した。ロシアにコージェネレーション工場を建設できればと考えているが、ロシアには官僚主義や税金の障壁があるため、なかなか難しいという。川崎重工業のこの分野のプロジェクトには、液化水素開発もある。これもロシアにとって興味深いものになるという。「最新技術は双方の関係発展に寄与する」と三浦氏は締めくくった。

 

 次にロシアのエネルギー会社「RAO東エネルギー・システム」のアレクセイ・カプルン副社長が演説を行った。ロシア極東にとって非常におもしろいプロジェクトが4件あり、そのうちの2件はコージェネレーション技術および液化水素の生産で、日本のパートナーの協力があれば実現が近づくという。他の2件は日本への電力輸出と再生可能エネルギーの利用拡大。電力を輸出するには、極東全体のエネルギー・システムの刷新が必要になるという。