エフゲーニー・ビヤトフ撮影/ロシア通信
製鉄会社「エヴラス」は上半期の黒字を発表。利益は100万ドル(約1億円)とお印程度だが、最近の黒字は2011年(4億5300万ドル≒453億円)だったため、悪くはない。
ロシアの大手「マグニトゴルスク製鉄(MMK)」は、2013年第1四半期以来の黒字をマーク。第2四半期の黒字額は1億5900万ドル(約159億円)だった。
「ノヴォリペツク製鉄」は上半期を3億3200万ドル(約332億円)の黒字で終えた。昨年同期比の4.6倍である。
製鉄業界で上半期の黒字を達成できなかった唯一の企業は「セヴェルスタリ」。ただし、アメリカ資産の売却損失10億ドル(約1000億円)と、為替差損1億2100万ドル(約121億円)を計算に入れなければ、4億2600万ドル(約426億円)の黒字であった。
アルミ大手「ルサル」も2013年初め以降の黒字となった。第2四半期の黒字額は1億1600万ドル(約116億円)。昨年同期は4億5800万ドル(約458億円)の赤字、また昨年度は32億2200万ドル(約3222億円)の赤字だった。業績改善の理由はアルミ価格の上昇と、コスト管理の効果。
コスト削減と非効率的な資産の売却でスリム化
ロシアの製鉄メーカーの黒字は、コスト削減と非効率的な資産の売却によるものである。エヴラスは4月、チェコの製鉄工場「ヴィトコヴィチェ・スチール」を売却し、アメリカの製鉄会社「クレーモント」での生産を再開しないことを決め、ロシア国内の鉄鉱石・石炭資産を手放した。セヴェルスタリは8月中旬、アメリカの石炭会社「PBSコールス」を売却した。今後も利息払いを減らしながら負債を抑えていく予定。リファイナンスも可能だが、ロシアと欧米の関係が悪化していることから、欧米での資金確保は難しくなっている。多くの企業が大型投資プロジェクトを完了しており、今は資本投資を抑えている。
フランスの大手金融機関「ソシエテ・ジェネラル」のセルゲイ・ドンスコイ氏によると、世界では価格の安定と需要の小規模な伸びが見られるという。コスト削減と原料価格の低減以外にも、ルーブル安が業績にプラスの効果をもたらしたという。季節調整のある第3四半期も好調な業績になるのではないかと、ドンスコイ氏は考える。
ロシアの投資分析会社「インヴェストカフェ」のアナリストであるゾヤ・コレパノワ氏も、ロシアの製鉄メーカーの好ましい傾向は続くと考える。
*以下の記事を参照
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