大型トラック負担金は自国で徴収

アレクセイ・マルガフコ撮影/ロシア通信

アレクセイ・マルガフコ撮影/ロシア通信

積載量12トン以上のトラックから利用者負担金を徴収するシステムの創設およびサービスの権利が入札にかけられていたが、ロシア政府は総額643億ルーブル(約1929億円)のこの入札を中止した。重量級トラックは道路に大きな負荷をかけるため、補修費用を支払うべきとの考えから、政府はこのような徴収システムの導入を決定。入札には海外のコンソーシアムも参加していたが、政府は業者を直接選定することを決めた。恐らく、国内の業者になるだろう。

ナビGLONASSを使った装置

 ロシア政府は徴収システム創設・サービス権の入札を中止した。ドミトリー・メドベージェフ首相が16日に中止指令に署名を行い、政府の報道部が24日にこれを発表した。

 プロジェクトのアイデアは、道路走行で道路を痛めるところが、修理費を負担するというもの。ロシアのナビゲーション・システムGLONASSを使った車内搭載装置は、自動車の座標を監視し、走行距離分の負担金が自動的に連邦道路基金に送金される仕組みとなる予定だった。システムの作動によって1年目に500億ルーブル(約1500億円)、13年間で1兆ルーブル(約3兆円)の徴収が見込まれ、主に連邦道の補修およびサービスにあてられる予定となっていた。負担金は1キロメートルあたり3.73ルーブル(約11.19円)。

 入札に応募した国際コンソーシアムは3組織。フランスのヴィンチ、オーストリアのカプシュ、スロバキアのスカイ・トール。許可取得者は徴収システムの創設と立ち上げに融資することとなっていた。投資家の総支出は全期間で643億ルーブル(約1929億円)になる予定だった。だが入札は中止された。

 ロシアの投資会社「UFS」の主任アナリスト、イリヤ・バラキレフ氏はこう話す。「入札条件として、参加者に同様のプロジェクトの実績があることがあげられていた。つまり外国のパートナーと技術が求められていた」。ロシアの国営加工・生産・輸出企業「ロステフ」は昨年12月、完全な国内開発品となるシステムの創設を提案していた。「現在、輸入品から国産品への切り替えと対ロシア経済制裁は喫緊のテーマ。システム自体を拒んではいないが、外国人の参加なしで創設されることになる」

 

入札中止の経緯と理由

 完全に中止される前に、ロシア連邦道路局は4度も入札を延期していた。最後は8月から9月22日に延期され、システム導入時期は今年末から来年末に延期された。道路局広報課がロシアNOWの取材で語ったところによると、道路局の幹部が中止命令に署名を行ったのは19日。入札参加者への全額返金は、入札書類の条件にしたがって行われる。

 それでもプロジェクトが中止になるわけではなく、政府が指定する唯一の業者が実現することになる。政府の関係筋は、ロシアNOWの取材に対し、近々閣僚が唯一許可取得者に関する指令を行うと話した。「利権協定は9月22日の落札者が決まった後に締結される予定だった」と道路局広報課は説明する。

 西ドイツ時代からウラジーミル・プーチン大統領を知り、側近と考えられているセルゲイ・チェメゾフ社長を筆頭として、ロステフは入札と外国のコンソーシアムの参入に反対していた。ヴェドモスチ紙によると、ロステフは6月中旬、入札の中止と同社への直接発注を提案する書簡をプーチン大統領に送ったという。外国のコンソーシアムが落札した場合、技術的中枢とデータ処理センターがロシア国外に置かれることとなり、すべての車両の走行およびさまざまな用途の貨物についての情報を、外国の情報機関が知ることになると警告していた。