浮沈かかる水上施設

Alamy/Legion Media撮影

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ロシアの水上ビジネスはヨーロッパ諸国ほど発展していない。水上レストランやホテルがモスクワ川に登場したのは1991年だ。

 水面の年間賃借料は1平方メートル当たりわずか36コペイカ(約1円)。ちなみにオフィスの年間賃借料は1平方㍍あたり3万~5万円ほどする。2001年までにモスクワ市中心部には約40カ所の浮体式施設が誕生した。

 ルシコフ市長(当時)は06年、浮体式施設の所有者にモスクワ市からの撤去を宣言した。140あった施設は26にまで減少した。

 不動産会社の担当者は「浮体式施設の中心ビジネスはまずレストラン。特に人口が多く、平均給与の高い都市部で」と語っていた。

 ただし、モスクワ以外での話。モスクワでは認められなくなったからだ。

 ところが、ルシコフ市長が10年に辞任すると、モスクワ川に再び浮体式施設が現れた。昨年は15の新施設が登録された。18年までに水上ホテル・レストランなど200軒の建設が予定されている。

 新規定は既存の浮体施設には適用されない。つまり、いまだに1円で借りている所有者の施設はそのままとなる不思議さだ。

 しかし、再び怪しい雲行きに。モスクワ市はまた撤去に動いているという。浮き沈みのなんと激しことか。