アジア市場にロシア産穀類

ロイター通信撮影

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ロシアの「統一穀物会社(OZK)」と船会社「フェスコ」が、極東の穀物ターミナル建設契約を結んだ。建設場所はウラジオストクから80キロメートルの ザルビノ港。これによってロシアの農業生産者は、アジア太平洋地域に安定的に製品を販売できるようになる。

 

OZKとフェスコ

 OZKとフェスコには共同出資している会社がある。「スンマ」グループの株式をフェスコが32.5%、OZKが50%マイナス1保有している。

 公開株式会社「統一穀物会社(OZK)」はロシアの国営農企業。穀物市場の発展とインフラ運用、世界市場へのロシア産穀物輸出手配、国内市場での販売活 動を行っている。ロシアの18構成主体で、総量180万トンの大穀物倉庫12ヶ所、総能力120万トンの加 工企業14社を管理している。

 「フェスコ」グループはロシアの大手民間輸送企業グループ。港、鉄道、統合物流分野に資産を持つ。グループには公開株式会社「極東海運(FESCO)」 が属している。グループは輸送船24隻を保有し、また砕氷船4隻に対する長期賃借権を保有し、運用してい る。ロシアの大手民間鉄道運営会社10社も属している。

 プロジェクトは国と民間の提携。民間投資額は2億9000万ドル(約290億円)、国家投資額は70億ルーブル(約210億円)。

 ターミナル建設計画が最初に発表されたのは2012年。2020年までには完成する予定。建設には2段階あり、2018年までに500万トン規模、 2020年までに1000万トン規模に到達する。

 

2段階で整備 

 契約によると、第1段階ではシベリア連邦管区と極東連邦管区の輸出用に、条件が整備される。これによって穀物栽培地域の農業生産者は、生産品をアジア太 平洋地域に安定的に供給できるようになる。現在はアジア太平洋地域の穀物輸入量の50%、年間約4000万 トンが、韓国、中国、台湾、日本向けである。ロシア極東には穀物積み換え用の特別なターミナルがなく、出荷 は「鉄道-船舶」積み換え機能のあるウラジオストク経由でしか行えない。

 第2段階では農業貨物トランジット積み換え用に、インフラが整備される。OZKによると、中国の場合は沿岸部の港から穀物を輸入して、自国の地域間輸送 を行う方が便利なのだという。OZKの出荷能力は2020年までに400~600万トン、2030年までに 1000万トンと試算されている。

 

フェスコと丸紅が覚書 

 3月19日に東京で行われた日露投資フォーラムでは、フェスコと商社「丸紅」が極東の港から穀物輸出を拡大するための提携に関する覚書に署名を行ってい た。

 極東からの穀物輸出量は、第1段階で最大10万トンと考えられている。その後500万トンまで拡大する可能性がある。

 ウラジオストク海洋貿易港経由の穀物積み換え量が拡大していることを、専門家は日本での需要増と結び付けている。「北海道銀行」は昨年末、ロシア連邦経 済開発貿易省に対し、ハバロフスク地方と沿海地方に穀物などの栽培用の農業特区を創設することを提案。現在 は日系企業の投資家のグループを集め、農業特区創設の提案を具体化させており、穀類、大豆、そばの栽培を計 画している。アムール州では日系企業がすでに、農業栽培を行っている。

 

ヴェドモスチ紙の記事を参照