プーチンが外国企業慰留に努める

ロイター通信撮影

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ウラジーミル・プーチン大統領は第18回サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)で演説し、国際的な企業にロシア残留を呼びかけ、フェイスブックやツイッターなどの交流サイト(SNS)を閉鎖しないことを約束し、ウクライナの大統領選挙を認め、新たなウクライナ政府と協力する用意があることを示した。

外国人投資家を支援

 演説の中でプーチン大統領は、外国人投資家を支援することを約束した。「ロシア連邦で活動しながら、ご自分の利益と可能な配当について考えていただきたい。圧力や恐喝に屈することなく、独自の道を歩めば成功するでしょうし、我々はそのお手伝いをする」

 ロシアでは近いうち、事業活動の簡易化プロセスを始めるという。今年中にも下院(国家会議)に簡易化のための5法案のパッケージを提出する。「投資家を待たせてはいけない。活動のための最大限の好条件は”いつか”ではなく、今必要。より勢いのある成長が必要なことから、今年末までには国家会議に法案パッケージを提出しなければならないと考える」とプーチン大統領。

 2018年までにロシアが投資環境ランキング上位20位に入るようにしたいと、政府は考えている。また、国家的な投資プロジェクトの選定手順を著しく簡易化し、その決定期間を短縮しようとしている。

 ロシアがフェイスブック、ツイッター、またはロシア版SNSを閉鎖するつもりなのかとの質問に対して、プーチン大統領は国内で閉鎖することはないと、噂を否定。「一切閉鎖するつもりはない」と述べた。

 

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SPIEF 2014の意義

対ロシア経済制裁の影響

 西側諸国がロシアに発動した経済制裁は、今のところ国の経済に体系的な悪影響を与えていないと述べた。「今のところ我々の経済に体系的で深刻な負の影響を及ぼしていないし、そのようなことが起こらないことを願う」とプーチン大統領。アメリカはロシアに対する経済制裁を強制しながら、ヨーロッパとの貿易・経済関係で競争優位性を得ようとしているのではないかと述べた。「それ以上に真剣で強力な動機は、ほかには感じられないし、わからない。ただ常識が勝つと考えている」

 プーチン大統領の演説の中心的テーマのひとつとなったのが、ウクライナ情勢。ロシアは大統領選後のウクライナ新内閣と協力するつもりで、すべての戦闘が終結することを望んでいるという。「今でも暫定政府と活動をしているが、大統領選後は当然のことながら、新たに選ばれた内閣と協力していく」。ウクライナで拘束されたロシア人記者の状況に不安も感じている。

 ウクライナは今のところ、ガス関連債務の返済を拒んでいるが、ロシア政府はウクライナとガスの問題を解決したいと考えている。「仲間としてあえて言うが、割り引きを求めるのは結構。だがせめて割り引きされていた期間のガス料金ぐらい支払ってほしい。それもだめだと言う。じゃあ、どうすればいいのか?」とプーチン大統領。

 ドミトリー・メドベージェフ首相はこれより以前、ロシアとウクライナの接触は作業レベルで維持されているものの、キエフの情勢が両国の政府の正常な関係を消し去ったと述べていた。

 ウクライナの状況はロシアにとって死活問題であるが、アメリカにとっては機械的な問題にすぎないという。「ウクライナについて何が問題かというと、我々にとってこれは生死に関わるほど重要だが、アメリカではウクライナ問題が技術的なレベルで解決されている。私は自らこの問題に取り組んだ」とプーチン大統領。

 

将来的な戦略とは

 ロシアは今年秋までに、輸入代替分野の戦略を練る。プーチン大統領はこれを約束した。「ロシアで産業の刷新、新しい工場の建設、具体的な現地生産化を行うことで、国際貿易規定を破ることなく、いかなる制限や障壁も設けることなく、多くの品目の輸入を大幅に削減し、国産品市場を取り戻すことができる」。これは第一に、ソフトウェア、無線電子機器、紡織業の生産、食品市場のこと。競争可能な製品を製造する国内の企業を支援するため、対策パッケージが作成されるという。ここには特別なロシア産業発展基金の創設も含まれる。

 プーチン大統領が演説した後、ルーブルの為替レートは上昇した。プーチン大統領の側近であるアレクセイ・クドリン元財務相は、大統領が演説の中で、ウクライナ問題と西側諸国との関係に触れた点が重要なポイントだと記者団に説明した。「これが提案、期待、希望であるにすぎないことはわかるが、今は情勢が正常化し、誰もが通常の業務に戻れるのではないかと考えるようになってきている」

 第18回サンクトペテルブルク経済フォーラムは、ロシアと欧米の関係が悪化する中で行われた。そのため、国際的企業の幹部の多くが欠席。アメリカの通信社ブルームバーグは1日、消息筋の情報として、アメリカ政府がフォーラム出席を予定しているアメリカ企業に圧力をかけていると報じていた。セルゲイ・ベリャコフ連邦経済開発次官によると、今回出席を表明した企業の約15%が欠席の連絡をしたという。