SPIEFボイコットの影響

ウラジーミル・アスタプコービチ撮影/ロシア通信

ウラジーミル・アスタプコービチ撮影/ロシア通信

国際的な大手企業の幹部が、ウクライナ情勢を受けて、第18回サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)への出席を相次いで取りやめている。アメリカ人ビジネスマンのボイコットは、オバマ政権による扇動の影響。ロシアの専門家は、これがフォーラムのイメージに打撃を与えることを認めながらも、提携関係に実際に及ぼす影響については、異なる観測を示している。

昨年の4割減 

 セルゲイ・ベリャコフ連邦経済開発省次官は5月6日、国営テレビ局「ロシア24」テレビのインタビューの中で、SPIEFの主催者が、外国企業の代表者から大量の欠席連絡を受けていると話した。「ほとんどが出席を事前に表明していたものの、後になって残念ながら都合が悪くなったとの連絡をしている。これは我々にとって損失であり、嬉しくないサプライズであるが、心の準備はできていた」

 SPIEFのウェブサイトに掲載されている一覧によると、今年の外国企業の出席者の人数は311人で、昨年の40%減。特にアメリカ企業は、昨年の109人から53人まで減少している。

 ペプシ、コカコーラ、アルコア、コノコフィリップス、ベイン・アンド・カンパニー、ゴールドマン・サックスは、完全な欠席ではなく、地域法人の代表を出席させる。

 さまざまな企業が出欠を決めている中、キャタピラー、ボーイング、ボストン・コンサルティング・グループは、今後の地政学的状況に応じて参加を決定するという。

 

圧力 

 アメリカの通信社ブルームバーグは1日、消息筋の情報として、アメリカ政府がフォーラム出席を予定しているアメリカ企業に圧力をかけていると報じていた。アメリカのジャック・ルー財務長官とヴァレリー・ジャレット大統領上級補佐官は、フォーラムの出席予定者に個人的に電話をかけ、サンクトペテルブルクに行くことは「良いシグナルにならない」と言ったという。

 ロシアの専門家は、大規模なボイコットによってフォーラムが当初の意義を失うと考える。

 ロシア経済・国家行政アカデミーの専門家であるウラジーミル・クリマノフ氏は、ロシアNOWの取材に対し、フォーラムが大物参加者の集まりで、決定のための重要なプラットフォームになり続けていたと話した。フォーラムで提示された構想や声明は、国内の主導的役割を果たす人々を後押ししていたという。「当然のことながら、大手企業幹部のボイコットは、当初の意義を事実上消滅させるもの。最高レベルでの協議や意見交換がなくなる。これは恐らく投資決定に影響を及ぼす」

 

アジア・シフトを加速? 

 ロシアの金融グループ「BKS」の上級アナリストであるマクシム・シェイン氏は、外国の大手企業の幹部不在で、フォーラムの効果が下がると話す。「契約や協定の件数は当然減る。経済界がまず困るのだから、アメリカ政府が考え込むきっかけになる。アメリカはロシアにとって、多くの分野で最大のパートナーだから、ロシア側も多くを失う。だが今起こっていることが経済関係を完全に断絶させるというわけではない。新たな段階、別のレベルの取引関係に発展するきっかけと見なす必要がある」

 ベリャコフ次官もインタビューで同じ考えを示していた。「(ロシアは)欠席する人の経済的可能性を閉ざさない」。ただし、「出席する企業、直接的な接触のある人との提携をより発展させる」と強調した。

 アジアのパートナーとの契約に重きが置かれる可能性もあると、シェイン氏は考える。「今年のフォーラムでガスプロムが中国と大型契約を結ぶ可能性も排除できない」

 「アーンスト・アンド・ヤング」ロシア支部の業務執行社員であるアレクサンドル・イヴレフ氏は、企業幹部のSPIEF欠席が、契約に支障をきたすとは考えていない。「欠席がフォーラムの作業に大きな影響を及ぼすとは言い難い。代理を送る企業もあり、取締役会の他の代表が出席する。これでも十分だ。すべての大口取り引きはフォーラムのかなり前に準備されていて、フォーラムは署名の場にすぎないことも理解しておく必要がある。署名が予定されている契約には、署名が行われるだろう。一時的な困難が欧米との提携の発展に著しい影響を及ぼすことはない、と確信している。国際的な投資家はロシア市場から離れない」