ヤンデックスへの欧米の影響

セルゲイ・クズネツォフ撮影/ロシア通信

セルゲイ・クズネツォフ撮影/ロシア通信

ロシアのインターネット検索最大手「ヤンデックス」が、プーチン大統領の指摘する欧米からの”圧力”について、コメントを行った。

 「ヤンデックス」広報課は、同社が実際に国際的な基金や投資家から初期投資を受けていたことを認めた上で、世界のあらゆる国のIT系新興企業にとって普通のことだと説明した。

 これはウラジーミル・プーチン大統領が4月24日、サンクトペテルブルクで開催された社会・政治団体「全ロシア人民戦線」主催のフォーラムで指摘したことに、反論したもの。フォーラムの参加者の1人が、アメリカのインターネット検索最大手「グーグル」のサービスを利用しているロシア人の個人情報は保護されているのかという質問をしたところ、プーチン大統領はそうではないとの見解を示し、ロシア人はヤンデックスのサービスを使うべきだと答えた。ただしこの時、「この企業の状況もそれほど単純じゃない」と指摘していた。

 プーチン大統領によると、ヤンデックス設立の際、同社幹部に欧米人を一定数採用するよう”圧力”がかかっていたという。また、ヤンデックスは税金対策以外の目的で、外国で登記されているという。

 プーチン大統領のこの言葉によって、NASDAQのヤンデックス株価は5%下落。24日の終わりまでには値を少し取り戻したものの、3.5%の下落となった。現在の株価は指摘前の24日朝と比べて、マイナスのままである。

 同社の株式の約70%がアメリカの株式市場で取引されているが、株主に戦略的経営権を与えるものではないと、ヤンデックスは伝えた。

 また同社が2000年代半ばにオランダで登記された会社であるものの、会社法の特殊性を理由としてそのような決定がなされたにすぎず、他のいかなる目的もないと説明した。

 ヤンデックスの創業者および中心的人物の1人であった故イリヤ・セガロヴィチ氏は2011年、「ルネトロジー」サイトのインタビューの中で、登記についてこう話していた。「外国人株主は、ロシアに正しい株式会社法がないことから、ここでの法人設立を怖がっている」

 ヤンデックスのロシア法人はあるものの、その株式100%がオランダのYandex N.V.社保有となっている。株式市場で取引されているのはロシア法人ではなく、あくまでもYandex N.V.の株式だ。

 プーチン大統領がインターネットをアメリカの中央情報局(CIA)のプロジェクトと指摘したことについては、ロシアはインターネット市場で上位に自国企業を置く数少ない国のひとつ、とヤンデックスが説明。そのような企業とは、検索のヤンデックス、メール・サービスの「メール・ル」、電子商取引の「オゾン」、交流サイト(SNS)の「フコンタクチェ」と「オドノクラスニキ」、電子決済の「ヤンデックス・ジェニギ」と「キウイ」などである。

 ヤンデックス検索システムは1997年、アルカジー・ヴォロシュ氏保有の「コンプテック・インターナショナル」社によって立ち上げられた。2000年にヤンデックス社として登記されてから現在にいたるまで、ヴォロシュ氏はその最高責任者である。

 アメリカのデジタル市場調査会社「コムスコア」の2012年12月の統計によると、ヤンデックス検索システムは検索件数(48億4000万件または世界の2.8%)において、世界第4位。

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