AFP/East News撮影
日産の幹部は低価格帯の自動車を発表する時、ロシア向けに開発したと強調するのが好きだ。アルメーラの時もそうだった。こちらはルノー・ロガンをベースとして、アジア産の日産ブルーバード・シルフィーの車体を使用した車。今回発表された「on-DO(オンドー)」は、アフトワズのラーダ・グランタがベースとなっている。ロシアの厳しい道路条件や環境条件に適合するように開発された。
オンドーの新車発表会は4日、モスクワで行われた。これは復刻したダットサンの3番目のモデルである。昨年、コンパクトなハッチバック「Go(ゴー)」と多目的車「Go+(ゴープラス)」を発表。インドとインドネシアで販売する予定だ。
オンドーは1.6リッター・ガソリン・エンジンを搭載し、エンジン出力は87馬力になるという。エアバッグは標準装備。ベーシックモデルの価格は明らかになっていないが、40万ルーブル(約120万円)以下で販売されるという。今夏発売予定で、その頃に価格が公表される。
日産のディーラー投資家が支援する、特別なダットサン・ディーラー網を通じて販売され、初期段階で25店舗、その後2年でさらに75店舗増え、ロシア全土で展開される。
日産のカルロス・ゴーン社長はこの発表会で、ロシア市場が日産にとって、世界第5位の市場だと話した。すでに「インフィニティ」も販売されている。
ロシアのダットサン販売促進責任者は、ほぼ同じ価格帯に位置しているロシア産のラーダの競合車にはならないと話す。ロシアの大手調査会社「自動車統計」の上級アナリストであるアザト・チメルハノフ氏は一方で、ラーダが主な競合車になると考えている。同じ価格帯のルノー・ロガンも、一部競争に加わる。
この3車種が、いずれもアフトワズ&ルノー・日産連合の製品であり、同じアフトワズの工場で生産されているのは興味深い。「ロガンはトリヤッチで組み立てられることになる。35万台の能力のある、B0プラットフォーム(ロガンはここに入る)の組み立てラインがここにあるため。ダットサンはラーダ・グランタのプラットフォームで製造される。物流の観点から見ても、グランタが組み立てられているアフトワズでの製造の方が便利」
低価格帯の自動車は、ロシア市場の約27%を占めている。ロシアの投資分析会社「インヴェストカフェ」のアナリストであるイーゴリ・アルナウトフ氏によると、ダットサンは約10%のシェアを計画しているが、ラーダ、ルノー、シボレー、キア、ヒュンダイ、奇瑞などと競わなければいけなくなる。また、低・中価格帯の飽和によって販売が落ち込んでおり、支払可能需要も低減していることから、市場への投入時期としては最適だという。「ルノー・ロガンの販売は鈍くなり、今年の最初の2ヶ月間で8%減となった。したがって、新型車の生産開始はアフトワズ&ルノー・日産連合の収益率をあげる。新型車の生産によって、この価格帯の今年度の販売が3.5%、あるいは2万5000台増える可能性がある」
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