ドミトリー・メドベージェフ首相=タス通信撮影
新たな中小ビジネス支援措置については、1月15日から17日にかけてモスクワのロシア国民経済アカデミー(RANEPA)で開催されたガイダル経済フォーラムで、ドミトリー・メドベージェフ首相が明らかにした。
2~5年間の免税措置
主なニュースの一つとなったのは、生産、社会、学術の分野で再び創設される企業を対象とした二年間の免税で、政府は、この措置によって新しい企業が生まれやすくなるものと期待している。
消息筋によれば、財務省が然るべき法案の作成に取り組み、法案は今年中に準備されるという。また、極東および東シベリアでビジネスを行うための特別の条件を創り出すことを可能とする規則も、年内に定められるが、これは、それらの地域に創設される企業を対象とした5年間の免税を内容としている。
地域ごとの不均衡是正に向け
専門家らは、そうした措置は具体的な成果をもたらすとみなしており、ベンチャーフォンド「ルナ・キャピタル」の共同設立者&マネージングパートナーのドミトリー・チハチョーフ氏は、こう語る。「とくにいい点は、それが地方の企業のための免税であること。モスクワ周辺への経済の過度の集中は、経済成長を鈍化させ、中央では資本は余って人的資源は足りず、地方ではその逆といった構図が生まれます」
また、FIBOグループのアナリストであるアナトリー・ヴォローニン氏は、こう語る。「優遇の対象は、生産、社会、学術の分野で再び創設される企業で、これは、ロシア政府が成長を望んでいる分野であり、成長は期待できます。何らかの成長を達成したいならば、手段は何でも構いません。しかし、すでに活動していて地方の予算に税金を納めている会社が再登録をして優遇適用期間を利用するといったケースも予想されます」
連邦保証基金は保証人の保証人
今年の重要な新機軸の一つとなるのは、連邦保証基金の創設で、これによって、企業はクレジットを受けやすくなる。ロシア経済発展省・中小企業活動競争促進局のナターリヤ・ラリオーノワ局長によれば、同基金は、地域の保証プログラムの拡大を可能とするもので、3億ルーブル(約9億円)以上の中規模の投資プロジェクトをサポートする。
現在、ロシアでは、80の地域の保証基金のシステムが機能している。それらは、1億ルーブル(約3億円)以下のクレジットを保証しており、連邦保証基金は、地域の基金に保証を与える、いわば、保証人の保証人となる。ラリオーノワ氏は、次のように語った。
「それは、地域の保証基金の保証の枠を広げます。プロジェクトの金融支援の要となるのは何と言っても商業銀行で、銀行にクレジットを与える用意があっても借主に十分な保障がない場合に、保証基金の出番となるわけです」
国家発注の15%以上は中小企業や非営利社会団体が受注
また、ラリオーノワ氏によると、2014年1月1日からロシアには連邦契約システムがお目見えし、年間の国家発注の15%以上は中小企業や非営利社会団体が受注することになった。同氏はその狙いをこう説明する。
「保証された販売は、あらゆるビジネスにとって大切で、これは、その存在の基礎となります。小規模の会社のための特別の入札システムを作ることで、私たちは、製品の販路を形成する企業の可能性を大幅に広げています。一年以内に、このルールは、取引高が10億ルーブル(約30億円)を上回る国営会社や自然独占体の注文にも適用される予定です。それらの企業の枠は、2014年には10%で、2018年には25%にまで拡大される可能性があります。
イノベーションに資本を投下している投資家には、支払い猶予のメカニズム(TIF)が導入されます。この場合、プロジェクトは、国家サイドからの当初の投資なしにスタートし、投資家の支払いは、将来のプロジェクトによる税収で補われます」
外国の投資家にも適用
これらの措置は、一定の条件を満たせば、外国の投資家にも適用される。
「外国の投資家も、もしも一定の基準を満たして自分の会社を設立すれば、これらすべての優遇措置を受けることができます。ロシアの法律では、もしも小さな会社が外国の法人によって設立されれば、その会社はロシアの中小企業とまったく同じ権利を有することになっています。もしも外国の法人が設立者となるならば、ロシア人と同様の権利を有するために、ロシアの大型のパートナーもしくは複数のパートナーを探すことになります。外国の法人の比率は25%を超えてはならないからです。
今年、中小企業を支援する連邦プログラムには、総額6億2800万ドル(約210億ルーブル)以上が割り当てられます」
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