ロイター通信撮影
来年市場にお目見え
ダットサンの幹部はすでに、低価格セグメント向けの長期計画を立てている。2013年に復活したクラシックな日本車がロシア市場にお目見えするのは2014年。
ダットサン・ロシア地域ディレクターのジェローム・セゴ氏は17日、ロシアの新車販売市場が縮小しているものの、その潜在性は依然として高いと、記者団に話した。他の新興国と比べて車社会化の水準は低いままだという。ロシアでは中古車の流通が活発であり、毎年約600万台が売れている。
ダットサンの専門家らは、中古車カテゴリーの購入者を、200万人ほど獲得可能だと試算している。ダットサンがターゲットとしている価格帯の自動車を、この人数が求めているのだという。
セゴ氏によると、ダットサンの価格は40万ルーブル以下。ベーシックだが、エアコン、ABS、エアバッグなどのオプションも追加可能な豊富な装備がある。
一番高いダットサンでも、日産のベーシックよりも安い。だがダットサンは、「安い」という言葉をあえて避ける。ダットサンは“安い”ブランドではないため。「当社に『安い』お客様はいない。これはお客様が許容できる日本の最新モデル」とセゴ氏。
車種はコンパクトなセダンやハッチバックか
来年4月に1モデルの新車発表会が行われる。その後8月にモスクワのモーターショーで、次の1モデルが披露される可能性がある。ダットサンのラインにどのようなタイプが加わるのかはまだわかっていないが、コンパクトなセダンやハッチバックになる可能性が高い。ロシアではクロスオーバーの需要が高いことから、このタイプも加わる可能性がある。
ダットサンの組み立てはトリヤッチで行われるし、アフトワズから助言も受けているが、開発は日本で行われたため、日本的な要素が強くなる。
市場で独自の位置づけねらう
ロシアの車種ラーダや中国の多数の車種が属する超格安セグメントに近いものの、この市場でラーダと競う計画は立てていない。ディーラー網が少ないダットサンは、アフトワズと競争するつもりはなく、別の位置づけを狙っている。
第1段階でのダットサンのディーラー網は25ヶ所だが、2016年には80~100ヶ所になる可能性がある。セゴ氏によると、ディーラー拠点の建設を現在進めているだけでなく、すでに完成しているところもあるという。同氏が示した地図では、ディーラー網はロシアの中央部と南部に位置しているだけで、今のところ東部にはほとんどない。極東はロシアで唯一、ダットサンのことをよく知っている地域であるため、この地域が計画からもれることはないだろう。
ターゲット層は
ダットサンの主な顧客は、ラーダとは異なり、自動車の購入を考えている中間所得層の20~35歳の若い家族。ダットサンはロシアのターゲット層のことを、「目標に向かって楽観的に前進する人」を意味する「ライザー」と呼んでいる。約20%を初めて自動車を購入する人、約65%を現在保有している車を買い替える人としている。
ダットサンの発売月は2014年9月。ダットサン幹部が予測する需要を補い得るディーラーを、これまでに確保する予定だ。ディーラーは現在日産の自動車を販売している大手になる。
懐かしのブランド
初期のダットサンは1931年から1986年まで存在していた。1934年にダットサン社が日産に買収され、その後ダットサンは比較的お手頃な価格の自動車を販売するようになった。より有名になったのは、1960年代にBMW1600のスポーツ・セダンの手頃な代替品だった510シリーズや、スポーツ カー240Z、フェアレディ。ダットサンのピックアップトラックも広く出回った。
ロシア、インド、インドネシア、南アフリカの市場に低価格車を投入するため、ダットサンは今夏、正式に復活した。それぞれの市場で今後、2モデルずつ用意される。
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