スポンサーの尽力で創造的なソチ五輪

ウラジーミル・ペスニャ撮影/ロシア通信

ウラジーミル・ペスニャ撮影/ロシア通信

2014年ソチ冬季五輪の外国のスポンサー企業は、最新技術や特別な商品の提案を通じて、かつてないほど革新的な祭典に仕上げようとしている。

出場選手全員にサムスンのスマホを配る 

 決して過度な期待などではない。盛り上げに一役買うのが、プロジェクト「サムスンからの賢い五輪」を用意している、韓国の「サムスン電子」だ。特別なモバイル・アプリ「サムスンWOW」や、ソチ五輪の公式スマートフォン「サムスン・ギャラクシー・ノート3」が、このプロジェクトに含まれている。国際オリンピック委員会(IOC)は、出場する選手全員にこのスマホを配布する。五輪のスポンサーを長年務めているサムスンにとっても、これは初めての試み。WOWアプリによって、主催者、参加者、観客は、競技の成り行きやスケジュール変更などについて、リアルタイムで情報を得ることができる。2010年バンクーバー冬季五輪では、試験モードでしかこのようなサービスを利用することができなかった。

 

米ダウ・ケミカルの革新的ソリューション 

 アメリカの「ダウ・ケミカル」は、スケート場の建設の際、断熱材や冷却剤などのさまざまな革新的ソリューションを提案した。また観客やマスメディアを含めた五輪参加者が中性炭素フットプリントを残すという、五輪史上初の取り組みもある。ダウ・ケミカルが補う推定排出量は、二酸化炭素換算で16万トン(モスクワの1日の排出量よりわずかに少ない程度)。ダウ・ケミカルのピーター・デ・グロート・ロシア・CIS本部長はこう話す。

 「比類なきスポーツ施設を創 設し、観客にとって快適な雰囲気を維持することを目指したのが当社の技術。五輪は当社のソリューションや技術をロシアで宣伝できる重要なプラットフォームでもあり、顧客とともにビジネスを高められるような可能性を与えてくれるイベントでもある。また環境への関心も高めることができるだろう」

 

パナソニックは音響・映像機器と家電の公式サプライヤー 

インフォグラフィック:


ソチ五輪インフラと競技日程

 日本の「パナソニック」もこの特別な祭典の演出者だ。五輪パークのスケート場「ボリショイ・センター」には、同社製のメディアキューブが設置されている(角の部分が丸みを帯び、360度の投映が可能)。これ以外にも、ソチ五輪「家電」カテゴリーの公式サプライヤーになっている。パナソニックが音響・映像機器と家電のサプライヤーになったのは、過去に1998年長野冬季五輪の一度だけだ。同社システムネットワークス部のエヴゲニー・トレシェトニコフ部長によると、これは同社のグローバル戦略の転換に関係しているという。「当社はビジネス、エコ、家電の3カテゴリーを重視している。ただロシアではエコへの意識がそれほど高くないため、今のところB2B(企業間取り引き)と家電のみを展開している」

 

古くて新しいオメガ 

 スイスの「オメガ」もソチ五輪用に革新的ソリューションを用意している。シュテファン・ウルクハルト社長は、「ソビエト・スポーツ」紙の取材で明言を避けているが、競技の結果を最大限に正確に計測できるイノベーションだという。

 これ以外にも、アール・デコ調の限定版記念腕時計「ソチ・ペトログラード・トノー」(100点のみ)を発表している。1915年にニコライ二世のためにつくられた時計と同じデザインであるところが特徴。他にも特別コレクション「オリンピック」には、女性用と男性用の限定版記念腕時計「シーマスター・プラネット・オーシャン『ソチ2014』」がある。

 

「マクドナルド」五輪チーム 

 すでに37年も五輪を支えているアメリカの「マクドナルド」は、ソチ五輪のための特別な新メニューを開発。さらにロシア各地の優秀なスタッフとマネージャー約350人からなる、特別な「マクドナルド」五輪チームが、ソチでサービスを行う。「ロシア・マクドナルド」のスヴェトラーナ・ポリャコワ営業部長 はこう話す。

 「ソチ市内にすでにオープンしている1店舗以外にも、この地域にあと4店舗がオープンする。さらに期間限定の2店舗も、五輪村のプリブレジュヌイやメイン・メディアセンターに建設される。ロシア全国では、今年50店舗以上が開設される予定」

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